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【税務戦略】堅守速攻 VS 速攻堅守

こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&

経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO

岩佐孝彦@税理士です。

 

ドンキ創業者の安田隆夫氏。

 

前回のブログでは同氏の

 

「日本脱出による相続税対策」

 

について解説しましたが、

 

「これって、

 租税回避行為じゃないの?」

 

「国税に目をつけられるのでは?」

 

 

と感じた方は流石です。

住所を東京都港区から

シンガポールに移したのは、

2015年6月26日。

 

国外転出時課税制度施行の

わずか5日前のこと。

 

その後、

オランダに資産管理会社設立。

自社株を650億円で売却。

 

確かに、

法律の抜け穴をかいくぐった

租税回避行為に見えなくもありません。

 

しかし本スキームには、

 

「経済的合理性」

 

が客観的に存在しています。

 

なぜならシンガポール移住後、

 

「アジア事業の責任者」

 

に同氏は就任し、

 

「DON DON DONKI」

 

の新業態第1号店を2017年に

シンガポールにオープン。

 

単なるディスカウントではなく、

日本の食品をメインにした、

 

「ジャパンブランド」

 

を強みにした

アジア展開を図っています。

 

そのうえで社名変更へ。

 

ドンキホーテHDから

 

「パン・パシフィック・

 インターナショナルHD」

 (現PPIH)

 

に変え、日本国内のみならず、

 

“世界のドンキ”

 

の経営戦略を全面展開へ。

 

以上、

シンガポールに拠点を置く

客観的合理性が存在しているのです。

 

同氏は2011年の武富士事件も

よく研究されておられるようです。

 

武富士の創業家に対し、

租税回避行為として、

国税庁が1,330億円の課税へ。

 

しかし最高裁は適法と判断。

 

国税庁側に2,000億円(還付加算金)を

長男に還付する判決を下しました。

 

見事に創業家が逆転勝訴した

有名な判決です。

 

そして国税側はこの判決後、

後出しジャンケンに動きました。

 

従前の“5年縛りを”“10年縛り”へ。

 

海外移住による相続税対策に対し、

法改正で課税強化したのです。

 

ただ同氏は昨年“10年縛り”も

クリアしました。

 

 

というわけで、

国税側がこの相続税対策スキームを

否認するのは困難でしょう。

 

 

同氏のオーナー経営者としての

モットーは、

 

「堅守速攻ではなく、速攻堅守」

 

であるとか。

 

防御と同時に攻撃に移る意味の

 

 【堅守速攻】

 

 

という言葉があります。

 

ただ同氏は順番が逆で、

 

【速攻堅守】

 

を重視しているそうです。

 

速攻を最優先にしながらも、

攻め以上の守備をその都度、

行っていくイメージです。

 

 

 

 

 

 

 

 

同氏の競争戦略の極意は、

 

「競合にこれをされたら、

 かなわんな」

 

と思うことを徹底的に実行すること。

 

 

強気に攻め続ける。

そんなイメージがあります。

 

しかし実際には、

攻撃よりも守備の比率の方が高い。

 

【守備7割/攻撃3割】

 

を黄金配分としています。

 

ただ守備7割と

大きめに設定していても、

重きを置くのは攻撃の方です。

 

攻撃には

多大なエネルギーを必要とし、

一点突破に向けた集中力が

不可欠になります。

 

「守備7割」

 

を担保するためにこそ、

攻撃の意義があるのです。

 

ドン・キホーテは2007年に

長崎屋を買収しました。

 

ただこの経営戦略には、

社内で多くの反対の声が上がったとか。

 

長崎屋は2000年に会社更生法を適用。

 

新たなスポンサーのもとで

再建を目指していましたが、

斜陽と化していた

総合スーパー業態だったため、

経営不振ぶりは何ら改善されず、

累積赤字は100億円超。

 

当時のドン・キホーテの

営業利益は135億円。

 

よって、

 

「身の丈に合わないリスクを

 取るべきではない」

 

と社内外から反対されたのです。

 

しかし同氏は反対を押し切った。

 

長崎屋の買収によって、

50店舗以上の好立地物件が手に入る。

 

それに加えて、

 

 「買収後に上げた利益が

  累積赤字分を超えるまで、

  収益に法人税等がかからない」

 

という財務面のメリットあり。

 

実際のところ、

長崎屋を業態転換した、

 

 「MEGAドン・キホーテ」

 

という新たな収益の柱を創造へ。

 

《注》近年の税制改正

*欠損金の繰越年数 ⇒ 10年へ延長

*赤字法人を吸収合併

  ⇒ 赤字を引き継ぐには

   5年ルールの創設あり

以上、

私(岩佐)が税理士として

唸った見事なスキームです。

 

【速攻堅守が内在した税務戦略】

 

と言えるでしょう。

 

「リスクを取らないのが

 一番のリスクである」

 

「戦わなければ運は落ちる」

 

と同氏は言います。

 

世の中には、

 

 「動こうと思っているのに

  動けない」

 

と口にする。

 

そんな経営者も少なくありません。

 

しかし本当のところ、

それは「動けない」のではない。

 

正確に言えば、

 

 「動く気がない」

 

だけの話でしょう。

 

経営者本人はその事実を

認めたくないために、

 

「動きたいのに動けない」

 

と言い訳を繰り返す。

 

そうして、

自分を納得させているにすぎません。

 

 

飢えた虎が目の前に放たれたら、

誰でも全力で逃げるでしょう。

 

人間はその気になれば、

いくらでも動ける存在なのです。

 

動けないのではなく、

 

 「自分に暗示をかけて

  動いていない」

 

だけなのです。

 

「動けない」と繰り返す行為。

 

それは自己暗示であり、

自縄自縛の呪いなのです。

 

自分自身に呪いをかけ、

ますます動けなくしている。

 

リスクを恐れてばかりでは

勝つことは絶対にできません。

 

攻撃が前提でなければ、

守備も生きてこないのです。

今日も社長業を楽しみましょう。

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