こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&
経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO
岩佐孝彦@税理士です。
本日、非上場株式の
評価ルール見直しに向けて、
「有識者会議の初会合」
を国税庁が開きました。
座長は租税法を専門とする、
佐藤英明教授(慶応大大学院)。
この会議で使用された資料も
国税庁より昨日公表へ。
先日の日経新聞記事では、
【類似業種比準法】
の改正が主だと読み取れましたが、、、
実際はそんな部分改正で
終わりそうにない??
【純資産価額法】
【配当還元法】
も改正が入りそうです。
本日公表の資料で記載された
現状の問題点は以下の通り。
▼類似業種比準価額の中央値
⇒ 純資産価額の中央値の27.2%
(約4分の1)
▼相対的な不公平
⇒ 会社規模が大きくなり、
類似業種比準価額の
適用割合が大きいほど、
純資産価額と申告評価額との
乖離が大きい傾向
▼配当還元率
⇒ 昭和39年の金利水準に
安全率等を考慮し、
10%と定めたものが
制定後に金利低下の中で
見直されていない
上記の評価方式間の評価額の
乖離が誘因となり、
純資産価額方式の適用を
回避しようとするスキームとして、
具体例も掲げられていました。
▼グループ法人税(寄付修正)と
評価差額
▼種類株式(無議決権株式)を
用いた配当還元方式の濫用
▼超過収益力を役員報酬として
社外流出させ、
配当として支払う必要がないため、
評価額を大きく引下げ可能
現行は租税回避行為として
認定されれば、
“税務署長の伝家の宝刀”
である総則6項に基づき、
個別対応せざるを得なかった。
ただ今後は条文自体を変更し、
疑義の余地を構造的に排除し、
増税に踏み切るようです。
配当・利益・会社規模等の
操作により、
株価を圧縮するスキームを排除し、
株価の中立性を確保する。
そんな税制改正を目指すとか。
不動産は【一物四価】と呼ばれます。
1つの不動産に
4つの評価があるとされています。
▼実勢価格
▼公示価格
▼相続税評価額
▼固定資産税評価額
自社株は不動産よりも複雑で、
【一物七価】
です。
▼類似業種比準価額(大会社)
▼類似0.9+純資産0.1(中会社の大)
▼類似0.75+純資産0.25(中会社の中)
▼類似0.6+純資産0.4(中会社の小)
▼純資産価額(小会社)
▼類似0.5+純資産0.5(小会社)
▼配当還元価額(少数株主)
本日の公表資料には、
「類似業種比準価格の斟酌率
⇒中会社も大会社も0.5に引下げへ」
というコメントも書かれていました。
個人的に評価できるのは、
「企業価値を高めるほど
株価が高くなり、
結果として税負担が
不相当に増大する可能性があるなど、
円滑な事業承継を阻害している」
「純資産価額方式による評価額は過大」
とのコメントも記載されていたこと。
非上場株式の特殊性は何か??
会社規模等だけではなく、
以下の組み合わせによって、
評価額が変わるところにあります。
▼個人から個人へ
▼個人から法人へ
▼法人から個人へ
▼同族 or 非同族
私共では常日頃より、
「株価はカメレオン」
と称しています。
自社株対策の意味するところは、
【第二領域
=緊急性は低いが、重要性は高い】
である点です。
名著『7つの習慣』には、
「第二領域こそが、
私たちが取り組むべき
最優先事項である」
という有名なフレーズがあります。
本日の初会合で明らかになった
今後のスケジュール感は以下の通り。
▼今年秋ごろに骨子を固める
▼今年12月中旬の
2027年度税制改正大綱に反映
▼2028年1月以降の相続から適用
ということは、
増税規定の施行まで
2年近くの猶予がある??
抜本的な評価ルール見直しは、
1964年以来初めてだとか。
国税庁が本腰入れて、
動き出しました。
敵を知り、己を知らば、
百戦危うからず。
今日も社長業を楽しみましょう。