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【資産保全考】血は水よりも濃い??

こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの

税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。

秋の夜長といいます。

焼酎や梅酒のお湯割りが美味しい季節となりました。

ただ濃度には気をつけた方がよいかもしれません。

ベストセラーシリーズ16万部。

『誰でもできる!「睡眠の法則」超活用法』(自由国民社)

この本には以下の記述があります。

……………………………………………………

日本は眠るためにお酒を飲む人が
30.3%もいて、

調査対象になった先進10ヶ国の中で、
最も寝酒率が高いことが知られています。

お酒を飲むこと自体は良いですが、
眠るために飲む。

そんな習慣にならないように
注意して下さい。

お酒では睡眠を
根本的に変えることはできません。

……………………………………………………

 

 

睡眠は健康管理の上で大切です。

焼酎などは健康管理の上でも、濃度を薄めるのが良さそうですね。

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しかし、濃度を薄めようにも宿命的に濃いものがあります。

それは何か??

『血』

 

 

そうです。こんなことわざもあります。

『血は水よりも濃い』

血液は水よりも重く濃い液体である。

よって、血の繋がった身内の絆の濃さを示しています。

つまり、どんなに深い他人との関係よりも深く強い。

そんなたとえの言葉ですね。

この言葉を体現した名経営者がいらっしゃいます。

その名は、堤清二氏。

 

 

▼ファミリーマート

▼無印良品

▼パルコ

▼西武百貨店

▼西友

▼ロフト

▼吉野家

 

 

私たちの日常生活の中で、馴染みのあるブランドです。

さあ、ここであなたに質問です。

 

「コンビニの中でなぜ、ファミリーマートだけが
無印良品の化粧品やノートを売っているのか?」

 

普段の生活では、不思議に思わないかもしれません。
ファミリーマートと無印良品はかつて同じ企業グループに属していた。

これが答えです。
堤清二という男が一代で作り上げた『セゾングループ』

という企業集団が構成されていたのです。

かつてはダイエー創業者、中内功氏と並び、
戦後の流通業界のカリスマでした。

 

『セゾン 堤清二が見た未来』(日経BP社)

 

9月25日に初版発行されたばかりですが、
この書籍は本当に興味深いものでした。

秋の夜長の読書にピッタリ!?

 

 

光と影のコントラスト。

堤清二氏ほど、これをを感じさせる経営者は、

他にいないかもしれません。
堤清二氏には小説家の顔もあります。

ペンネームは辻井喬。

自伝的小説の冒頭は、こんなフレーズで始まります。

 

……………………………………………………

生い立ちについて、

私が受けた侮辱は、
人間が生きながら味わなければならない
辛さの一つかもしれない。

……………………………………………………

 

堤清二氏の前に立ちはだかる、偉大なる父の存在。

父の名は、堤康次郎氏。

裸一貫から立身出世した立志伝中の人物。

20歳の時に先祖伝来の土地を担保に入れ、
上京し、早稲田大学の門を叩き、大隈重信に師事した。

その後、軽井沢と箱根の不動産開発を機に、
西武グループの礎を築いた実業家。

滋賀県選出の代議士として衆議院議長へ。

その一方で、強引な商売の手法から、

 

“ピストル堤”

 

の異名を取る。

私生活では清二氏を初めとする、
7人の兄弟姉妹の母親は4人。

そんな父を持つ息子の感情とは、いかなるものなのか?

……………………………………………………

幼子の目には、父は時々帰ってきては、
母を強奪していく暴君にしか見えなかった。

振り返っても、
やはり父への憎悪は激しかったと思います。

憎しみ、恨み。

そうした気持ちが渦巻いていました。

……………………………………………………

 

正妻ではない母と暮らした、子供時代の負い目と父との確執。

西武グループの中核企業である、西武鉄道やプリンスホテル。

これらを相続したのは、異母兄弟の堤義明氏。

清二氏は義明氏の兄でありながら、
中核企業の相続を許されなかったのです。

そして、清二氏は西武グループとは全く違う、

『セゾングループ』

を作り上げました。

生みの母を異にする清二氏と義明氏。

両者の確執も当時、メディアの格好の対象になったそうです。

その後、バブルが崩壊し、セゾングループは経営難に陥ります。

清二氏も経営の一線から退き、
小説家『辻井喬』として多数の作品を発表。

静かな晩年を過ごしていた。

そんな中、2005年に大事件が起こります。

西武鉄道株式を巡る証券取引法違反で、異母兄弟の義明氏が逮捕。

彼が率いていた西武グループが危機に陥る。
この時、メディアの取材に対し、清二氏はこう言いました。

 

「西武グループが健全さを取り戻すことを希望している」

 

あまりに第三者的な発言に、
清二氏の義明氏に対する冷淡さが現れている。

そんな記事も散見されたとか。

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しかし、清二氏は突如豹変します。

再建を主導する銀行に対し、異を唱え始めました。

西武グループの持株会社である『コクド』の株式は名義株に過ぎず、
実質的な所有者は堤家にある。

そう主張し、異母末弟の猶二氏と共に、
訴訟を起こしたのです。

この当時のことに関するインタビューの中で、
清二氏はこう語っておられます。

……………………………………………………

85歳の老人になった、
あなたがなぜ今さら表舞台に出るのか?

小説家の辻井喬として静かな幸せな時間を
わざわざ捨てて、

なぜ経済人の堤清二に戻るのか?

周囲からそんなふうに私は言われました。

しかし、これは父との約束なのです。

50年前に私は父と約束したのです。

義明に何かあったら、僕が助けますと。

父に愛されていたのは僕なんです。

……………………………………………………

 

85歳の老いた息子が父との約束の正当性を証明するように、

父との愛情を語ったそうです。

父を憎み、封建的な『堤家』から自由になろうとした清二氏。

それが晩年に一転して、『堤家』の威信をかけ、

創業オーナーとしての権利を主張した。

取引銀行出身の後藤高志氏ら新経営陣のグループ再編が

推し進められれば、創業家の求心力は失われ、
創業の精神も薄れていく。

そんな危機感を胸に立ち上がった清二氏ですが、

裁判では結局負けてしまいます。
しかし、血縁や肉親の情に思いを深くした
晩年の堤清二氏の姿を見ると、

『血は水よりも濃い』

 

という言葉の深みを感じざるを得ません。

今日も社長業を楽しみましょう。

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