こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
トヨタグループは正式に、
「豊田自動織機の株式の非公開化」
に向けた計画を先日発表しました。
同社はトヨタ自動車のルーツ。
トヨタ自動車はそもそも、
「豊田自動織機製作所自動車部」
を分社化してできた会社です。
そんな同社を上場廃止するのは、
▼外資の買収を阻止
⇒ 経営支配権の安定的確保
⇒ 経営の自由度を維持
という目的です。
かつては、
「究極の企業成長の姿=上場」
と考えられていました。
1960年代に株式公開ブーム。
当時は、
「高額所得者公示制度」
があり、松下幸之助氏が5連覇。
1960年度にブリジストン創業者の
石橋正二郎氏がトップになり、
世間を驚かせました。
そして1964年には、
大正製薬の創業者の上原正吉氏が
長者番付のトップへ。
そんな大正製薬を初め、
昨年は94社が東証で上場廃止。
これはTOB対策です。
上場すると、
不特定多数の投資家が生まれる。
中でも海外投資家は利益になるなら、
簡単に所有株式を売却してしまう。
そこで敵対的買収(TOB)を
阻止するために上場廃止するのです。
老舗企業が続々と非上場化するのは、
「真の意味での経営の自由化」
を追求しているからです。
備蓄米販売で快進撃中の
アイリスオーヤマが仮に上場したら、
「具体性が無い」
「根拠が無い」
と投資家からブーイングの嵐??
何故ならアイリスには、
中期経営計画が無いからです。
上場企業は決算発表時に、
不特定多数の株主向けに
中期計画を発表しなければならない。
そうなれば、
「目の前に今見えている
確実性のある事業」
しか公表できません。
アイリスのような
需要創造型の製品は、
「どのくらい今期売れるのか?」
と聞かれても、
「不確実なものを製品化」
しているため説明しようがない。
また多くの株主が求めるのは、
短期的収益です。
アイリスは目先の資本効率を
捨てる経営です。
いかなる時代でも
利益を出し続ける会社にするには、
目先の資本効率は邪魔になります。
だから過去から一貫して、
非上場の道を歩んでいるのです。
今日も社長業を楽しみましょう。