こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。
冒頭はこんな記述で始まります。
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ここまで権力を求め、
権力を手にした女は、過去にいない。
なぜ、彼女にだけ、それが可能だったのか。
おそらく彼女には、
人を惹きつける何かがあるのだろう。
権力者に好かれ、大衆に慕われる何かが。
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5月29日に発刊後、20万部超の大ベストセラー。
『女帝 小池百合子』(石井妙子著・文藝春秋)
男社会の政治の世界で、、
小池氏がどのように都知事まで上りつめたのか。
100人を超える関係者の証言。
3年半にわたる綿密な取材。
そうした裏付けを基に、
赤裸々に小池氏の半生が描かれた。
そんな書籍でした。
小池氏は過去の取材の中で、
自らの半生をこう述べていたとか。
▼芦屋に生まれ、何不自由なく育った。
▼貿易商の父親
▼父親は有名政治家のタニマチ
▼衆議院に出馬して落選
▼それがもとで家が没落した。
▼カイロ大学首席卒業
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しかし、この書籍では、、
上記は真っ赤なウソだとか。
▼小池家というのは、金がなくても、
見栄を張り、あるように振る舞う。
▼父の貿易商は家業レベルの5人程度の零細事業
▼父は地道な会社経営はできず、
外車を買っては夫婦喧嘩が絶えない。
▼父は商売が不調になると、
政治家に近づき、不要な出費を増やす。
▼父本人はタニマチと法螺を吹いたが、
パーティーに参加していた程度。
▼父は選挙に落選し、破産へ。
会社にも自宅にも返済の取り立て。
▼関学大に一学期だけ通い退学。
借金取りに追われ、
私立に通わせ続けるお金はなかった。
▼そこで海外に留学させる体裁を取る。
しかし、イギリスや米国に留学させる
お金はなく、エジプトへ。
▼カイロ大学は父の人脈で、
2回生より編入で裏口入学。
▼アラビア語の得意な山本氏と学生結婚。
▼カイロ大学の授業はハイレベルで、
夫の語学力では太刀打ちできず。
▼その後離婚し、進級試験に落ち、
落第し、日本に帰国へ。
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カイロ大学を中退か? 卒業か?
個人的には興味ありません。
どちらでもよいのでは??
ビジネス社会に一歩出れば、、
学歴は全く関係ないことは、
経営者の皆さんもおわかりでしょう。
ただ小池氏は、
「カイロ大学卒業」
を武器にのしあがっていきます。
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時は1980年代のバブル期。
時代が小池氏に味方します。
「NHKニュースセンター9時」
で慶応卒の宮崎緑氏が抜擢される。
これを皮切りに、
▼野中ともよ
▼幸田シャーミン
▼櫻井よしこ
▼田丸美寿々
▼安藤優子
と高学歴の女性キャスターが続々誕生。
そして、、
小池氏がモデルにしたのが、
小宮悦子氏だったとか。
東京都立大学卒のテレ朝アナウンサーの
「ニュースステーション」
で見せた女性キャスター像。
このイメージが小池氏にも踏襲されたとか。
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ただ他者との差別化なくして、
ビジネス社会では生き残れない。
他の女性キャスターには存在しない、
小池氏ならではの強みとして、
「日本ではなく、海外の名門大学卒」
を最大の切り札としたそうです。
1984年8月23日の朝日新聞夕刊。
小池氏はある人物に目を留めた。
来日したトルコ人男性が、
「トルコ風呂」
との名称を問題視した記事でした。
日本で性的なサービスをする
特殊風呂がそう呼ばれている。
これに不快感を示した内容だったとか。
小池氏はすぐに朝日新聞社に連絡。
このトルコ人男性とともに、
国会議員へ陳情に動きました。
結果、、
「トルコ風呂 ⇒ ソープランド」
に名称を正式に変更させる。
小池氏のカイロ大学卒の経歴が、
広く宣伝されることに。
その後小池氏は、
男性の性欲への理解がある女として、
男社会で生きていき、
次々と大物たちに目をかけられたとか。
そして、彼女はチャンスを掴む。
テレビ東京の
「ワールドビジネスサテライト」
の初代キャスターに抜擢される。
このような経緯があったせいか、、
小池氏でいつも話題になるのは、
学歴詐称疑惑です。
これは『カイロ大学の呪い』なのか??
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富裕層の経営者の皆さんには、
『資産の呪い』
にくれぐれも注意してほしい。
私(岩佐)は常日頃より、
そう警鐘を鳴らしています。
あなたは「ナウル共和国」を知っていますか??
太平洋南西部に位置する国です。
元来ドイツの植民地でしたが、1968年に独立。
1980年代には、
「国民1人あたり所得」
が世界最高水準でした。
アメリカや日本を凌ぎ、、
なぜ世界一のお金持ちになれたのか?
実は、、
島全体がアホウドリの糞でできており、
良質なリン鉱石が採れたのです。
リン鉱石は肥料として大変優れていたとか。
よって国全体が、
「土地を掘るだけで儲かる」
ようになりました。
全国民が土地を保有しています。
そこで、国民みんながこぞって、
土地を掘り始めたのです。
移民を労働者として雇い、土地を掘らせる。
そんな国民が増えていきました。
結果、国民みんなが大金持ちになり、
贅沢三昧の生活へ。
しかも、税金はゼロ。学校も病院もタダ。
食事は毎日すべて外食。
国民は誰も汗水流して働かなくなりました。
そんな状況の中で、
「このまま全国民が掘り続ければ、
20世紀中にリン鉱石は枯渇する」
と長らく危惧されてきましたが、、
贅沢を貪り続けた生活はもう元に戻れない??
ナウルは世界最大の糖尿病大国へ。
勤労意欲を持たない国に成り下がっていく。
ついに、リン鉱石も枯渇へ。
このままでは贅沢な暮らしを維持できません。
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次にナウル国民がしたのは何か?
悪のお手伝いに手を染める。
例えば、、
▼マネーロンダリングで、
悪人の資金洗浄のお手伝い
▼セカンドパスポート取得のお手伝い
▼難民の受け入れサポート
こうして堕落の道を辿るのです。
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ナウル共和国の没落から、何を学べるのか?
これは以下の通りです。
▼勤勉さを失った人間に明日はない。
▼資産を切り売りするだけの
人生は長くは続かない。
▼いかなるときも常に
自分をハングリーな状態に置いておくべし。
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先進国の多くは、資源に恵まれていません。
資源がないからこそ、
知恵が生まれ、発展するのです。
小池百合子氏も、そうだったのかもしれません。
父の金銭問題の尻拭いをさせられ、
父の一番の被害者になってしまった。
そんな不遇な家庭環境だったからこそ、
小池氏は上昇志向が強かったのです。
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小池氏は学生時、英語少女でした。
英語が大変堪能でいらっしゃいました。
将来の夢は通訳だったとか。
しかし、高校二年生で諦めたと
何度もメディアで語っておられます。
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英語を勉強する人はたくさんいる。
だから、競争相手が多すぎる。
もっと違う言語にしようと考えた時、
父の書棚にあった、
「中東・北アフリカ年鑑」
を開き、アラビア語を勉強しよう。
そう思い立ち、自分の人生も
マーケティングしていた。
やりたいと思うことではなく、
どこに行ったら、競争相手が少なく、
自分の希少性が高まるのか。
常にそう考えて行動していた。
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小池氏が都知事へのしあがる。
そんな過程は、
マーケティング戦略の勉強になります。
マイケル・ポーター氏の古典的名著、
『競争の戦略』
の実践者でいらっしゃるのです。
資産をたとえ有していても、
それに胡坐をかくことなく、
『勤勉』
に努力し続けることで、
『資産の呪い』
を解放させることができるのです。
今日も社長業を楽しみましょう。