こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&
経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO
岩佐孝彦@税理士です。
永守重信氏、御年81歳。
事実上の引退へ。
ニデック創業者の同氏は、
代表取締役を辞任し、
非常勤の名誉会長へ。
「不正経理の疑義について、
ニデックのこれまでの
企業風土に問題があると
言われることがある。
私は創業者として、
ニデックを企業風土を含め、
築き上げてきたが、
ニデックの企業風土が云々とし、
世間の皆様にご心配を
おかけすることになった。
この点を
申し訳なく思っている。」
企業風土や組織文化は
トップが醸成するもの。
1973年創業。
売上高2兆円の
世界一のモーターメーカーへ。
カリスマ経営者がなぜ、
まるで消え去るように
表舞台から退出したのか?
同じ経営者として、
考えさせられます。
永守氏は近年とにかく、
「株価引上げ
= 企業価値向上
= 短期的志向による
売上&利益の追求」
を至上命題として、
社内で発破をかけていました。
これが今回の不適切会計問題の
根底に存在しています。
日経ビジネスによれば、
「拡大を急ぎすぎたのだろうか」
と永守氏が最近呟いたとか。
2025年は上場廃止となった
企業が過去最多となりました。
前年より30社多い、124社。
▼アヲハタ
▼イオンモール
▼NTTデータG
▼トナミHD
▼プロトコーポレーション
▼日新
▼サムティHD
▼安江工務店
etc.
東証や投資家が
企業価値向上を求める。
そんな圧力を高める中、
「経営の自由度」
を高めるため、
敢えて上場廃止の道へ。
そんな事例も増加しています。
アイリスオーヤマも創業以来、
敢えて上場しない経営方針です。
上場の弊害としては、
「短期志向」
に陥りやすいからです。
ここで経営者として
考えるべきこと。
経営における、
「成長とは何か?」
です。
成長とは通常、
「売上の前年対比伸び率」
を言います。
ただこれはそれほど
難しいことではありません。
M&Aをすれば、
自動的に売上は上がる。
安売りすれば、
売上も上げやすい。
大きな受注を一発取れば、
売上は伸びる。
このように考えれば、
売上伸び率というのは、
経営の直接的目的では
ありません。
成長というのは、
本質論で語れば、
儲かるビジネスを
やっているうちに
好循環が起きて、
それが結果として、
成長していたということ。
売上高だけを
強引に伸ばそうと思えば、
利益を犠牲にすれば、
簡単に成長できるのです。
しかし、
これは本末転倒ですね。
▼すぐやる。
▼必ずやる。
▼できるまでやる。
仕事のスピードと実行力を
重視したニデックの行動規範です。
しかし過度な短期志向が
今回の問題につながりました。
あくまで長期の視点を
大切にしながら、
どう日々実行に動くのか?
ハンドリングの妙が
トップの経営手腕なのです。
このお話は次回に続きます。
今日も社長業を楽しみましょう。