こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&
経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO
岩佐孝彦@税理士です。
トランプ大統領が来日。
6年ぶりだそうです。
天皇陛下との会見や
高市首相との昼食会など。
公式行事が色々、
開催されるようです。
▼高率関税の発動
▼不法移民の送還
▼ハーバード大学の
留学生の受入資格の剥奪
etc.
米国内外でも賛否両論ある
政策を次々と実行へ。
トランプ大統領はこれらを
【常識の革命】
と呼びます。
これまでの常識は、
「トランプ政権の非常識」
という意味だと言われています。
ビジネスにおいて、
最も邪魔になるのは、
「世間の常識」
なのかもしれません。
常識とは以下の通り定義できます。
▼世間並みの考え方
▼固定観念
▼思い込み
▼先入観
前回の本ブログでも
お話したように、
「借入=悪」
という常識や思い込みから、
会社と社長個人が表裏一体の
中小企業においては、
本質的に債務性の無い、
役員借入金に対しても、
悪と捉えるのは早計です。
これ以外にも、
「在庫=悪」
という常識があります。
世界的経営のバイブルと言われる、
『トヨタ生産方式』
(大野耐一著)
(ダイヤモンド社)
において、
トヨタ生産方式における
“7つのムダ”
として下記が提唱されています。
▼つくりすぎのムダ
▼手待ちのムダ
▼運搬のムダ
▼加工そのもののムダ
▼在庫のムダ ★
▼動作のムダ
▼不良をつくるムダ
上記★にあるように、
トヨタ生産方式に関する
古典的名著においても、
「在庫=ムダ」
と書かれていますね。
しかし、
在庫はムダであり、
悪であるという常識に背を向け、
大きなリスクを取りながらも
成功している企業がある。
そんな事実を経営者として、
あなたは知っていますか??
トラスコ中山株式会社。
創業1959年。
国内拠点89ヶ所・海外拠点7ヶ所。
業種は、工具卸売業。
同社は大型物流施設の他、
大量のトラック&人員に加え、
40万点を超える在庫に
莫大なる投資をしています。
同社の中山社長はこう言います。
このビジネスのお客様のニーズは
次の3つしかないと。
「すぐ持ってこい」
「今持ってこい」
「いいから持ってこい」
この顧客ニーズに対応すべく、
極限まで在庫を取り揃えるとか。
同社の経営は、
「商品回転率ではなく、
在庫出荷率」
をKPI指標としています。
在庫出荷率というのは、
お客様から注文が入った後の、
手持ち在庫から
即納できる商品の割合だとか。
この指標を重視しているからこそ、
在庫リスクを取れるのです。
リスクテイクにしても、
コスト投下にしても、
最高難度の【投資】判断です。
経営者は孤独とよく言われます。
人が孤独になるのは、
誰にも頼れないギリギリの判断を
しなければならない時です。
現場で汗水垂らして
働いている従業員が、
塀の外に転げ落ちてしまうのか?
それとも、
守られた塀の中で
温かいスープを飲んでいられるのか?
経営者という人種は、
誰に相談することなく、
そういうギリギリの投資判断を
しなければならない。
そんな立場にあるのです。
在庫は少なければ少ないほど良い。
そんな常識とは違う、
真逆の経営戦略として、
在庫は多ければ多いほど良い
経営を実践へ。
にも関わらず、
営業利益率は業界平均を
上回る6%超。
自己資本比率も60%超。
在庫リスクを積極的に取りながら、
東証プライム上場企業として、
健全経営をしています。
私(岩佐)には、
こんな投資判断は
逆立ちしても到底できません。
恐ろしくおっかないです。
中山社長に心より
敬意を表したいと思います。
リスクテイクに関して、
中山社長はこう言います。
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日本ではなぜか、
堅実経営が評価されがちです。
しかし、
堅実経営というのは実は、
臆病経営と言い換えているだけ
ではないでしょうか。
堅実経営を唱えて
伸びた会社なんて、
周りを見渡しても、
ほとんど見当たりません。
会社は過去と同じこと、
他社と同じことを
続けるだけでは、
成長できないのだと思います。
誰もが行く道の先に、
成功の文字はありません。
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経営同士の会合に出たり、
ゴルフに出かけ、情報交換する。
場合によっては、
上質なリラックスの時間を過ごす。
こういったこともすべて、
経営者として、
【乾坤一擲のジャッジメント】
の瞬間のために
あるのかもしれません。
世界各国から過激とも評される
トランプ大統領の訪日を受けて、
常識を疑うことも時には
経営者には必要かもしれない。
経営にはセオリーがあるが、
常に常識に捉われてはいけない。
こんなことを考える
良い契機にしたいところですね。
今日も社長業を楽しみましょう。