こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&
経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO
岩佐孝彦@税理士です。
先日の日経新聞に
こんな記事が出ていました。
『SakanaAI、200億円を調達
企業価値は4000億円に
「ソブリンAI」開発に注力』
記事によれば、、、
IT企業のSakanaAIが
総額200億円の資金調達に成功。
三菱UFJフィナンシャル・グループ
などから出資を受けたとか。
この資金調達後の企業価値は、
約4,000億円に達するとか。
同社は今回の調達資金で、
データやシステムが
国内インフラで完結する、
「ソブリンAI」
の開発に充てるとか。
同社は非上場。
2023年7月に設立。
社歴の浅い非上場企業が
急速に企業価値を上げる。
AI、恐るべし。
船井総合研究所の
会計事務所経営研究会でも、
「CHATGPTを日常的に
使っている人」
と挙手する税理士が9割以上。
私(岩佐)も恐る恐る
挙手しましたが、、、、
まだまだダメです。
使いこなすレベルには程遠い。
大反省!!
ただ今年から、
弊社の現場スタッフも
CHATGPTを使える環境を導入。
Z世代の若手スタッフは、
ガンガン使っているようです。
Z世代、恐るべし。
ChatGPTなど生成AIは、
【プロンプト(指示&質問)】
を入れれば、
自動的に答えを導き出します。
実は古今東西、
プロンプトの重要性を
偉人たちが説いています。
西洋哲学の基礎を築く。
そんなソクラテスは、
こう言いました。
人間の卓越性たるものは、
自身と他者に問いかけることだ。
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また、天才と言えば、
真っ先に浮かぶ人物とは?
そうです。
アインシュタインですね。
彼はこう言いました。
もしも生死のかかった問題を
1時間で解かないといけないとしたら、
私は55分間を
問い作りにあてる。
なぜなら、
適切な問いさえ見つかれば、
5分であっても、
答えは見つかるからだ。
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生成AIの時代になってようやく、
天才たちがなぜ、
【答え】よりも【問い】
を大切にしていたかが、
理解できるようになりましたね。
税理士の視点で、
【問い】
について解説しましょう。
問いを組織を挙げて、
極めて重要視しているのが、
課税当局(税務署)です。
警察を凌ぐ国家最大権力と
言われる所以は、
【質問検査権】
にあります。
質問検査権とは、
税務調査において、
納税義務者に対し、
質問や帳簿書類などの
検査・提示・提出などを
求められる調査官の権利。
国税通則法74条で
定められています。
質問検査権があるからこそ、
任意調査でも拒否できません。
調査官は納税者に対し、
“質問攻め”
してきます。
納税者を追い込むための
【問い】
を彼らは常に考えている。
そう言っても過言ではありません。
適切な質問をすれば、
適切な答えは自動的に見つかる。
まさに彼らはこう考えているのです。
中小企業経営者に求められるのは、
こうした問いに対し、
【答え】
をどのように提示するのか?
顧問税理士と共に事前に
想定問答を作っておくべし。
またその裏付けとして、
「戦略的エビデンス」
を整備しておく。
こうした対応が必須です。
また誤解することなく、
しっかり認識すべきは、
「質問検査権は絶対ではない」
ということです。
国税通則法の条文を読み込めば、
「必要があると認められるとき」
ではなく、
「必要があるとき」
との表現になっています。
両者の違いが理解できますか??
「必要があるとき」
という表現の本質とは、
「当然に客観性が求められる」
ということです。
質問や検査の内容が、
課税標準や税額の変更に
関わる内容であることに
限定されることを意味します。
例えば、
医療法人の税務調査を
想定しましょう。
調査官から、
「患者カルテの提示」
を求められたらどうするか??
カルテは病歴など、
個人情報が集積しています。
本来であれば、
提示すべきではない。
医院の信用問題に
発展しかねない。
しかし、
質問検査権に基づくなら、
盲目的に従うべきなのか??
正しい答えは以下の通りです。
患者カルテの提示は拒否してOK。
但し、代替帳簿の提示は必要。
調査官のカルテ提示を
求めてきた理由は、
収入の把握である。
よって、
収入が把握できる
代替帳簿を提示すれば問題なし。
ということで、
戦略的エビデンスの必要性は、
こんな視点からも言えるのです。
国家権力に基づく
プロンプト(指示&質問)に対しても、
会社を守ることのできる
適切な答えを自動的に導き出す。
そんな経理体制を日頃から、
作っておいて下さいね。
これはAIの力だけでは無理です。
顧問税理士の力が必須です。
今日も社長業を楽しみましょう。