こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
経営者として何年後まで
見るのが正しいのか?
3年後?
5年後?
10年後?
答えはズバリ、10年後です。
先日の日経新聞朝刊一面に
こんな記事が出ていました。
『潤う企業 10年先に照準
利益52%成長、
短期目線との差
味の素は中計廃止』
上場企業の慣例は、
中期経営計画(中計)を
公表すること。
3ヶ年計画で最終年度の
利益目標を掲げるのが主流です。
あずさ監査法人による
上場企業404社調査で、
「何年先を見据えて
経営しているか?」
という問いに対し、
▼約3年
▼約6年
がともに約4割と最多。
▼10年以上
は17%と少数だったとか。
しかし業績は長期目線に
軍配が上がります。
▼営業利益伸び率
⇒ 平均18%
⇒ 10年以上:52%
という顕著な差が見られます。
味の素は2023年に中計を廃止。
日立製作所は2019年に中計にて、
売上高や利益の
目標を掲げるのをやめ、
事業間の連携で
成長を目指す戦略に軸足を置く。
結果、日立株式は約7倍に上昇へ。
このように数年先の目標に固執する
“中計病”
に陥らず、機動的に戦略を打ち出す。
そんな企業が増えているのです。
3年間の目標達成を優先するあまり、
長期目線での取組みが疎かになる。
環境変化対応に機動性ある
動きができなくなる。
これが“中計病”なのです。
この日経新聞記事に対しては、
識者による分析コメントも
掲載されています。
『ストーリーとしての競争戦略』
の著者として有名な
楠木健氏(一橋大学特任教授)は、
▼稼ぐ力を持つ企業ほど
中計の開示にこだわらない。
▼稼ぐ力に自信のない企業ほど
中計を公表せざるを得ない。
と批評されました。
普通に考えれば、
▼業績の良い企業 … 中計あり
▼業績の悪い企業 … 中計なし
というイメージがあります。
ただ税理士として見ても、
楠木氏の指摘は正しいです。
このお話は次回に続きます。
今日も社長業を楽しみましょう。