こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
経営者として、
言わねばならない言葉がある。
「あなたは一体何者ですか?」
特にM&A取引の場面では、
この言葉なしで、
交渉は進められないでしょう。
あなたが売手なら、
買手企業の素性を!
あなたが買手なら、
売手企業の素性を!
そして忘れてはならないのが、
M&A仲介会社の素性を!
信頼に値する
ビジネスパーソンなのか?
彼らに厳しい目を
注がねばなりません。
なぜなら、
M&A取引については近年、
トラブルが続発しているからです。
先日の日経新聞に
こんな記事が出ていました。
『中小企業のM&A仲介に資格制度
26年度、トラブル防ぎ市場活性化』
中小企業庁はM&Aを手がける
アドバイザー資格を創設し、
仲介者に知識と実務能力を
求めるとのこと。
▼M&Aの進め方
▼財務
▼税務
▼法務
▼倫理規定
以上を試験内容に盛り込む方針へ。
この背景には、
悪質な仲介を繰り返す
事業者の存在があります。
中小企業の後継者難によって、
M&Aの需要が高まる中、
売買時のトラブルを防ぎ、
市場の活性化を防ぐ。
そんな狙いがあります。
この制度導入は、
個人的には大賛成です。
実は昨日も顧問先様から、
M&Aの相談を受けました。
近隣の同業者から
店舗を買ってくれないかと
持ちかけられたそうですが、、、
決算書をスピードチェックの上、
社長様の携帯に電話し、
「顧問税理士を悪者にして、
角が立たないように
お断りすべし」
とご助言させて頂きました。
また昨年末は、
某銀行の支店長と融資担当者を
弊社オフィスに呼びつけて、
説教(?)しました。
顧問先の社長様より
SOSの連絡が入ったからです。
その内容は会社を売却し、
1年以上経過するにも関わらず、
取引銀行が個人保証外しに
応じてくれないとの相談でした。
売手と買手の両者で交わした、
株式譲渡契約書では、
個人保証外しの条件が
明文化されている。
にも関わらず、
取引金融機関のうち、
1行だけが誠意をもって
対応してくれない。
そんなご相談でした。
支店長と融資担当者の
態度はひどいものでした。
できない言い訳ばかりを
繰り返し、
全く誠意が感じられない。
「ちょっと待って下さい。
御行の今回の対応は、
中小企業庁の
M&A取引ガイドラインに
明らかに抵触している。
そして何より、
バンカーとしての、
顧客志向の精神が
全く感じられない。
結果として、
クライアントの社長様に
無用なストレスを与えている。
まず御行がすべき対応は、
社長様に
お詫びすることでしょう。
さあ今すぐ、この場で、
誠意をもって、
社長様に謝って下さい!」
すると私の横に座っていた
社長様に対し、
支店長と融資担当者は
おどおどしながら、
謝罪の言葉を
ようやく口にしました。
この後に今後の方針について、
前向きに双方協議し、
その後事態が好転し、
個人保証の問題は解決しました。
社長様にも大変感謝され、
とても喜んで頂きました。
めでたし、めでたし。
身近なところでも、
M&Aトラブルは
続発しています。
これは氷山の一角でしょう。
大手M&A仲介会社の
営業担当者を
一喝したことも過去にありました。
また東京商工リサーチによれば、
「M&Aを考える中小企業の
相手先企業の主な探し方」
としてダントツ1位は、
「金融機関に依頼(73%)」
となっており、
「専門仲介会社に依頼(46%)」
を大きく引き離していますが、、、
一介の税理士として、
中小M&A市場の健全性について、
大変憂いています。
本日参加予定の船井総研の
会計事務所経営研究会の
参加事務所の中には、
「M&A仲介ビジネス」
を会計事務所として
事業化する動きも見られます。
私共には大手M&A仲介会社から、
業務提携のお誘いも日々あります。
しかし私共のスタンスは、
あくまで信用第一に考えれば、
会計事務所主導で、
仲介すべきでないとの経営方針です。
もちろん顧問先様から相談を受ければ、
誠意をもって対応しますし、
財務デューデリジェンスも可能ですが、
あくまで受け身のスタンスです。
中小M&Aは、
特殊性の極めて高い取引です。
会社は生き物である。
そこで働く人もいる。
それを右から左の
マネーゲームのごとく、
取り扱うのはいかがなものか?
売手にとっても、
買手にとっても、
大変リスクの高い取引なのです。
目を大きく見開いて、
十分かつ慎重に判断してほしい。
そう願っております。
「あなたは一体何者ですか?」
この質問を脳内言語に
してほしいと思います。
実は日本経営合理化協会に
この度上梓した音声教材の中で、
第5巻に以下のコンテンツを
盛り込んでおります。
▼中小M&Aの特殊性を知る
▼不可解なM&A資金の流れ
▼吸血型M&Aにご用心
▼不適切なM&A取引に
関する注意喚起
▼M&Aで飾る
経営者人生の有終の美とは?
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人手不足時代の資産戦略の新常識
~ オーナー社長が
社員と共にお金を残す ~
(日本経営合理化協会)
収録時間:5時間57分
定価:55,000円
(会員価格:51,700円)
https://www.jmca.jp/prod/12130
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すぐにお聴き頂けます。
今日も経営のかじ取りを
楽しみましょう。