こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
前回のお話の続きです。
「組織は戦略に従う」
米国経営学史の大家の
アルフレッド・チャンドラー氏の言葉。
次世代組織をどう設計したいのか?
これにより、
税務戦略は変わります。
親族(外)承継の際に
大きな問題となるのが、
「自社株の買取り資金」
でしょう。
血縁関係の無い内部昇格者には、
先代から自社株を買い取る
資力は基本ありません。
企業価値を反映させた
時価で買い取るというのは、
親族外では到底無理な話。
額面程度の簿価ベースでしょう。
だからといって、
時価よりも低額で譲渡すれば、
「みなし贈与税」
「みなし譲渡所得税」
の課税問題が生じるわけです。
課税問題を回避しながら、
親族(外)承継を
いかに円滑に進めるべきなのか?
この問題を解決するには、
税務戦略の精緻な設計が必要です。
金庫株(=自己株式)を駆使し、
配当還元価額で譲渡する。
これも一手でしょう。
その他の打ち手として、
会社分割を活用する方法もあります。
親族外の内部昇格者が出資した、
支配関係の無い別法人を設立する。
その法人に事業を承継させる
手法として、
「共同事業再編の適格分割」
が考えられます。
下記要件を満たせば、
適格として課税関係は生じません。
▼金銭等不交付要件
▼按分型要件
▼継続保有要件
▼事業移転要件
▼事業継続要件
▼事業関連性要件
▼同等規模要件
or 双方経営参画要件
顧問税理士に是非ご相談下さい。
いずれにせよ、
前述の帝国DBの統計データを見て、
税理士として少し安堵しました。
この5年で後継者不在率が
年々減っていたからです。
「62歳になっても、
3人に2人は後継者候補不在」
という内容でしたから。
しかしコロナ下を経て、
インフレ時代に突入した今、
オーナー経営者も重い腰を上げ、
子を後継者にせずとも、
内部昇格で事業承継の準備へ。
そんな姿を感じることができる
統計データの内容でした。
重要性の極めて高い経営課題。
これが事業承継です。
今日も社長業を楽しみましょう。