こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
「投資の神様」の異名を持つ。
そんなウォーレン・バフェット氏も
御年94歳。
バークシャー社のCEO(最高経営
責任者)を年末での退任が決定へ。
バークシャー社には同氏の
2人の息子が取締役を務めていますが、
後継者はグレッグ・アベル氏。
御年62歳。
つまりバフェット氏は、
【親族(外)承継(=内部昇格)】
の道を選択したのです。
前回は「こどもの日」にちなみ、
親族(内)承継のお話しました。
スター精密の佐藤肇氏父子の
美談を紹介しましたね。
ただレアケースだからこそ、
心に沁みるものがあったわけです。
大塚家具の父娘のバトルは
記憶に新しいですが、
“継ぐ不幸・継がす不幸”
という言葉もあります。
親族(内)承継は
親子の感情のもつれも生じ、
本当に難しい面があります。
実際のところ、
中小企業の事業承継の形態は、
この5年間で変化が見られます。
約27万社を対象にした、
帝国DBの調査データです。
▼後継者不在率
*2020年 65.1%
*2024年 52.1%
(過去5年間で13%減)
▼過去5年間の代表者交代実績
*内部昇格 36.4%
*同族承継 32.2%
*M&A 20.5%
*外部招聘 7.5%
(内部昇格の親族外承継1位)
中小企業の事業承継と言えば、
“後継者難”
が代名詞でしたが、
後継者不在率は年々減少へ。
またかつては、
親族内承継がメジャーでしたが、
近年は親族(外)承継が最多です。
M&Aも活発化していますが、
親族(外)承継の約6割にすぎず。
このように、
後継者はバフェット氏同様、
内部昇格のケースが増えています。
同じ親族(外)承継でも、
外部招聘の割合はごく少数です。
記憶に新しいのは、
ニデック(旧日本電産)です。
カリスマ創業者の永守重信氏の
後継者問題です。
同社は一時期、
関潤氏がCEOを継承へ。
永守氏に口説かれ、
関氏は日産自動車を辞め、
同社に入社しましたが、、、
わずか1年余りで退任に至る。
「外部に良い後継者がいると
考えたのは錯覚だった」
と永守氏は後に語りました。
結局、関氏の後任は、
創業メンバーの小部博氏。
あくまでショートリリーフの
人事ですが、
内部昇格の道を選んだのです。
ユニクロ創業者の
柳井正氏も同様に、
外部招聘した玉塚元一氏を
途中で社長退任させ、
内部昇格にて、
新卒で同社に入社した人物を
後継者候補に据えています。
このように名経営者においても、
内部昇格の例が多く見られます。
このお話は次回に続きます。
今日も社長業を楽しみましょう。