こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&
経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO
岩佐孝彦@税理士です。
日本経営合理化協会主催の
年2回のビッグイベント。
3日間にわたり開催中の
「第151回 全国経営者セミナー」
は本日が最終日。
私(岩佐)の本日のミッションは、
セットアッパー。
クローザーは寺島実郎氏。
TBS系列のサンデーモーニングに
出演されている経済評論家。
寺島氏はマクロな経済情勢に関し、
講話されるでしょう。
私(岩佐)はクローザーに
バトンを渡せるように、
『人手不足時代の
賢い資産戦略と実務』
について講話します。
会場でお目にかかれる
経営者の皆様におかれましては、
どうぞよろしくお願いします!
さて、経営者はみんな、
『2026年の経営方針』
を現場の従業員に対し、
発信されたことでしょう。
経営は実行。
戦略を考えることの何倍も、
組織でそれを実行するために
エネルギーを使わねばならない。
しかし社員は動かず、
「笛吹けども踊らず」
になっている??
万一そうであるならば、
今日お話する内容は、
参考になるかもしれません。
「愚者は経験に学び、
賢者は歴史に学ぶ」
米国の鉄鋼業界の栄枯盛衰の
歴史を見てみましょう。
比較分析の対象は、
▼ニューコア社(略称:A社)
▼ベスレヘム社(略称:B社)
です。以下、略称でお話します。
A社とB社の違いを整理すると、
以下の通り。
▼経営状況
*A社 … 業界トップクラス
*B社 … 破綻(2001年)
▼労使関係
*A社 … よい
*B社 … 悪い
▼階層制度
*A社 … なし
*B社 … あり
▼本社オフィス
*A社
25人以下の賃貸オフィス
(小さな歯科医院ほどのサイズ)
ロビー(安物の合板家具)
*B社
21階建の豪華な本社ビル
普通の長方形ではなく、十字型ビル
(角部屋を求める副社長の
要望に応える)
▼福利厚生制度
*A社
子供の大学進学の学費負担
(1人2,000ドル給付)
*B社
社有機(経営幹部専用)
18ホールのゴルフコース
(経営幹部専用)
▼企業文化
*A社
経営陣と従業員の利害一致
(外交的エネルギー)
*B社
経営幹部の関心は
数々の特権の獲得
(内向的エネルギー)
ニューコア(A社)の中興の祖。
ケン・アイバーソン氏は、
著書の中でこう述べています。
……………………………………
ほとんどの企業でいまだに
不平等がはびこっている。
これによって、
【われわれ 対 やつら】
という図式が正当化され、
組織に定着する。
企業の階層の最上部に
位置する人々たちは、
自分達の特権を次々と作り出し、
現場の従業員に対し、
特権を見せびらかしている。
そうしておいて、
経費削減や収益性向上を
経営陣が呼びかけても、
従業員はなぜ動かないのかと
首をひねっているのが、
私は信じ難いと
首をひねっている。
……………………………………
ニューコア社の方式は、
怠け者が勤勉に
働くように変えることを
目指していません。
仕事熱心な従業員が
働きやすく、
怠惰な従業員が
バスから降りるように、
職場の環境が
作り出されているそうです。
こんな逸話があります。
ある従業員のやる気の無さに
腹を立てて、
チームの他の従業員が
鉄棒を振り回して、
工場から追い払ったとか。
こんなことがもし、
現代の日本で起これば、
パワハラとして問題となりますね。
ただ同社の従業員の意識の高さを物語る。
そんなエピソードとして、
『ビジョナリーカンパニー2
~ 飛躍の法則』
(ジム・コリンズ著)
で紹介されています。
税務の世界では、
「社長だけの特権
⇒ 役員賞与認定」
という論点があります。
《注》
上記は利益処分的なもので、
事前確定届出給与を除く
なお、課税関係は以下の通り。
▼法人 … 損金不算入(法人税)
▼個人 … 給与課税 (所得税)
“ダブルパンチ”や、“往復ビンタ”
と比喩される所以です。
ただ税務リスクの論点だけでなく。
トップが構想した経営戦略の上に、
働く人たちを巻き込んで、
組織一丸で邁進する。
そんな企業文化を醸成するならば、
「美味しい饅頭を 一人で食べない」
とをモットーとすべきです。
ニューコア社のように、
「経営陣と従業員の利害一致
= 社長が社員と共にお金を残す」
の企業文化を醸成するための
賃金制度として、
『企業型確定拠出年金(企業型DC)』
の導入が考えられます。
役員も従業員と共に同時加入OK。
▼掛金(入口)
*所得税:非課税
*社会保険料:対象外
▼運用益(プロセス):非課税
▼受給(出口):退職所得扱い
国策で大変優遇されています。
60歳になるまで
引き出せないという点の他、
毎月の手数料や信託報酬は、
金融機関に払う必要がありますが、
上記の税効果で
費用対効果は大きいです。
そして何より、
「この職場で一生懸命、
働き続ければ、
老後資金も安心だし、
うちの社長はちゃんと、
私たちの老後のことまで
考えてくれてている」
としてロイヤリティが高まり、
従業員の士気向上に寄与し、
労働生産性向上へ。
これが何と言っても大きいでしょう。
サラリーマン経験のある経営者は、
従業員の気持ちが分かるでしょうが、
彼らに経営者の気持ちは
永遠にわからない。
上から下は見えるが、
下から上は見えない。
労使の構造の問題上、やむを得ない。
利害対立の上に
認識ギャップもある。
しかし、
「われわれ 対 やつら」
の構図の下で、
己の特権を見せびらかすのはNG。
謙虚なリーダーシップが
いま問われています。
今日も社長業を楽しみましょう。