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【社長の教養】金利はなぜ上がらないのか?

こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ

税理士法人トップ財務プロジェクト代表の

岩佐孝彦@税理士です。

金利は一体上がるのか??

金利がもし上がると、

「中小企業の銀行借入」

に大きな影響を及ぼします。

変動金利の場合、

大打撃を受けかねません。

コロナ融資における

「実質無利子(=金利ゼロ)」

も来春より終了へ。

 

あらゆる経営者の使命は、

「環境変化対応」

です。

 

金利動向を注視すべし。

 

ただ先日、日銀の黒田総裁は

以下の発言をしました。

 

▼今すぐ金利引き上げは

 考えていない

▼現在のインフレは一時的なもの

▼来年以降、コストプッシュ型の

  インフレは減衰していく

▼来年4月以降、

 私が日銀総裁を辞任後も、

 金融緩和政策は2~3年続く

▼国内は需要不測の状態が続き、

 金融引き締めに転じるには

 時期尚早である

 

つまり、

【金融政策は現状維持】

と明言されたのです。

 

そんな中で先日の国会で

珍事が見られました。

立憲民主党の某議員が

「日銀の黒田総裁の辞任」

を迫ったのです。

この理由はシンプルです。

 

「海外では軒並み

 金融引き締めをやっている。

 なぜ、日本はやらないのか?

 だから、

 1ドル150円の

 円安になっているんだ!」 

 

これは経済理論から見ると、

明らかにおかしい?

何故か、おわかりでしょうか?

 

いま世界的なインフレですが、

日本と欧米は少し違います。

 

▼米国 約8%

▼英国 約10%

▼日本 約2%

 

欧米は確かに行き過ぎです。

よって、彼らは

金融引き締めをしないといけない。

お金の量を絞らなければならない。

 

ただ日本の場合、

「コアCPI 1.6%」

で目標の2%を達成せず。

 

(注)コアCPIとは?

エネルギーと生鮮品を除く物価上昇率

 

日銀が目指すのは、

「完全なるデフレ脱却」

です。

もし野党からのプレッシャーに負け、

日銀が今金融引き締めに

転じたらどうなるか?

デフレに再び戻ります。

 

そうならないために、

「インフレ目標2%超の

安定的達成」

を日銀は追求しています。

 

米国の場合、

「インフレ目標6%」

を目安にしているからこそ、

金融引き締めを今行い、

金利引き上げをしています。

 

ただ日本の場合、せいぜい2%。

また、

2%を超えたからと言って、

すぐに金融引き締めを

行うことはないでしょう。

 

インフレ率が安定的に

3%や4%になり、

2%を切ることは

将来ないと判断されれば、

「金融緩和から金融引き締めへ」

に日銀は転換するでしょう。

 

経済評論家の諸氏の方々が

1ドル150円時代に

警鐘を鳴らし、

日銀の金融政策について

色々コメントを出しています。

 

中には現状を、

“金融緩和ボケ”

と批判する方もいます。

 

冒頭のように、

立憲民主党の某議員による

黒田総裁の辞任を迫る発言も

見られます。

 

ただ重要な指標は、

「インフレ率目標2%」  

なのです。

 

現状の日銀の金融政策を

批判する論調には、

「インフレ率目標」

は出てきません。

 

経営者の皆さんにおかれましては、

本質を十分見極めて下さいね。

 

日本は「変動相場制」の国。

よって、為替操作はしません。

 

もし変動相場制ではなく、

固定相場制にしたらどうなるか?

 

戦前に見られたような

恐慌に陥る可能性があります。

 

戦前の日本は、

「金本位制に基づく固定相場制」

でした。

 

為替相場を維持するために

円安の時は円高に調整へ。

 

そのために金融引き締めをやる。

戦前は国内がデフレになろうが、

関係なく金融引き締めを実行へ。

 

その結果、景気が悪化し、

昭和恐慌が起こったのです。

 

戦前に恐慌が度々

起こったのは何故か??

 

金本位制による固定相場を

守るためだったのです。

 

ただ固定相場制をやったがために

国内景気はボロボロ。

国民は困窮し、過激思想へ。

その結果、太平洋戦争が起こった。

固定相場制は過去の遺物なのです。

 

よって、先日の国会での議論は

暴論と言えるのかもしれません。

 

1ドル150円の現状は、

誰が見ても異常ですね。

 

牛丼の価格を見ても、

▼日本 約400円

▼米国 約1200円

と異常な格差があります。

 

ただ黒田総裁の言葉から読み取れば、

さすがにこの状況は

長くは続かないのか??

 

確かに過去を見ても、

1ドル70~80円時代は

長く続きませんでしたね。

 

というわけで、

日銀の金融政策から言えること。

それは以下の通りです。

 

中小企業の経営者に

いま必要なのは、

 

▼コストプッシュ型インフレの

 収束まであと1年我慢せよ

 

▼今はジタバタせず、

 どしっと構えておくべし

 

ということになります。

 

ただもしかすると、

来年4月の日銀総裁変更により、

金融政策が転換するかも??

 

日銀総裁の今後の人事にも注目です。  

社長の教養として、

「金利が決められるメカニズム」

は知っておいて下さいね。

今日も社長業を楽しみましょう。

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