こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。

倒産寸前の子会社の社長を親会社から命じられ、

自腹を切って子会社を買い取り、文字通りオーナー社長になる。

1億8000万円の債務超過。

メインバンクから見放され、崖っぷちの会社。

こんな修羅場から社長就任後、25年間にわたり、

 

 

 

▼売上3倍  ⇒ 11億円から33億円へ

▼自己資本比率10倍   ⇒ 5.7%から54.9%へ

▼純資産28倍  ⇒ 4400万円から12億1600万円へ

 

 

にまで再生させた名経営者がいます。

その名は、近藤宣之氏。

日本レーザーの代表取締役会長でいらっしゃいます。

その他、

 

 

▼第1回 中小企業庁長官賞

「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞

▼第3回 「ホワイト企業」大賞

▼第10回 「勇気ある経営大賞」

 

 

など数々の表彰を受けておられます。

そんな同社は、現預金12億円。有利子負債は、4億円。

負債の3倍の自己資金を保有しているとか。

別に銀行から借入する必要はありません。

それなのに、なぜ借りているのか??

近藤氏はこうおっしゃっておられます。

 

 

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「借入が一切ない。完全無欠な無借金経営が理想」

「無借金経営の社長は優秀」

私はそう思っていません。

無借金経営を自慢する経営者もいますが、
むしろ、

「無借金経営は、恥ずかしいこと」だと考えています。

なぜなら、将来のリスクに備えていないからです。

順調な事業であっても、
長く経営を続けていれば、資金に窮する。

そんな局面は必ずあります。

そのときのために「必要のないお金」も借りておき、

銀行との関係を良好に保つのです。

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銀行との関係性が深くなると、

「ご協力お願いします。借りて下さい。」

と銀行からお付き合い(?)で融資を持ちかけられる。

そんなケースもあります。

あるクライアントは、

「年度末の3月31日に借りて、翌日の4月1日に全額返済」

を実行したそうです。

すぐに返済するのに、何故わざわざ借りる?

たとえ1日とはいえ、金利がもったいない?

ただ真の狙いは【借りた実績を残す】こと。

銀行としてもわずか1日といえ…

年度をまたいで貸した実績が欲しい場合があります。

銀行が融資を行う際は過去の取引実績が重要な判断要素となる。

「一度も借りたことのない企業」

「定期的に借入し、きちんと返済してくれる企業」

なら後者に銀行がお金を貸したがるのです。

ソフトバンクグループと日本レーザー。

企業規模は全く違います。ただ財務の本質は以下の通り同じです。

経営者が目指すべきは、

 

 

『いつでもお金を借りられて、いつでも返済できる。

そんな“実質無借金経営”である』

 

 

ということになります。

そして、具体的な財務規律として、

 

 

 

▼銀行借入は平均月商の3ヶ月まで。デッドラインは6ヶ月。

▼現預金は平均月商の2ヶ月分を持つ。

 

 

といった数値を目安にするのです。

 

 

しかし、世の中すべて光と影。

自己資本比率を重視した経営をすれば、
それで万々歳かと言えば、そうは問屋が下しません。

その影として生まれるのが、“自社株(=出資持分)の高騰”

に伴う事業承継リスクです。

同族ファミリーに対し、換金性の低い資産にもかかわらず、

相続税&贈与税の“火の粉”がかかるのです。

 

 

よって、その予防策として、

 

 

 

▼新事業承継税制

▼持株会社化

 

 

といった資産防衛が重要になります。

100%成功する選択肢は存在しません。

大切なのは、リスクを恐れることではありません。

リスクにどう備えるかなのです。

 

 

 

100%成功する選択肢がない中で、
勝率を高めるために一体どうすべきか?

 

 

『金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房)。

 

 

この著者のロバート・キヨサキ氏はこうおっしゃられました。

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僕らは、公開株は買わない。ベンチャー株を買う。

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これは大変味わい深い言葉です。

ベンチャー株は100個に1個しか儲からない。

だけど、その1個が1000倍になれば、99個損をしても、

結果的に儲かります。

ある程度の損を覚悟するからこそ、
損失以上のプラスを獲得できるのです。

 

 

 

クロネコヤマト宅急便の生みの親の

小倉昌男氏の創業当時のお話。

小倉氏はこう信じていたそうです。

 

 

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最初は赤字だ。

しかし、集配車1台あたりのコストは、
はっきりしている。

1日に何個扱えば、
損益分岐点を超すかもはっきりしている。

だから、4~5年で利益が出るようになる。

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これまた含蓄のある言葉です。

上記の言葉は裏を返せば、4~5年は損することを意味します。

普通の経営者は4~5年損をするのが
わかっていたら、基本選択しません。

 

 

ただみんなが怖がり、
誰もやらないことをやるとどうなるか??

【独占状態】が作れます。

他社が手を出さないから、当然です。

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しかし、なかなかこれは難しい。

言うは易し、行うは難し。

実は行動経済学において『プロスペクト理論』

があります。

ダニエル・カーネマン氏とエイモス・トベルスキー氏が提唱。

これは以下の理論です。

 

 

 

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人間は利益よりも損失を重く受け止める。

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私たちは「得をしたい」という気持ちより「損をしたくない」

という気持ちが強いもの。

だから、100%を求めてしまいがちです。

しかし、「100%絶対に成功する」

というのは詐欺の世界にしかありません?

リスクや損失をある程度覚悟しておく。

その方が結果的に勝率が高まるのです。

そのためには、財務規律をしっかり守る必要があります。

古今東西、規律性に関する名言は多く存在します。

 

 

 

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他の人を支配しようとする人は、
まず自分自身の主人でなければならない。

by フィリップ・マッシンジャー

 

 

規律なき人生を送る者は、尊厳なき死を迎える。

by アイスランドの言い伝え

 

 

毎朝その日の取引を計画をし、その計画を最後までやり通す。

そんな人は、最も忙しい人生の迷宮を
案内してくれる糸を持っている。

by ヴィクトル・ユゴー

 

 

来週は危機なんて起こりようがない。

予定がすでにぎっしり詰まっているのだ。

by ヘンリー・キッシンジャー

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資本主義の原則は「交換を通じ、膨らんでいく」ことです。

交換を頻繁にしなくなると、衰退するのが経済原理です。

閉ざすと、小さくなる。

開くと、大きくなる。

これが、経済の大原則なのです。

銀行との融資取引も同じこと。

「借りて、返す」

のお金の交換を閉ざすと、

事業は衰退するのかもしれません。

幸いにも今日のマイナス金利下で、
資金調達コストは安くなっています。

 

表の顔は「借金王」だが…

裏の顔は“実質無借金経営”である。

孫正義氏の財務規律には、したたかさや老獪さを感じます。

『孫の二乗の兵法』恐るべし。

今日も社長業を楽しみましょう。

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