こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループ
税理士法人トップ財務プロジェクト代表
岩佐孝彦@税理士です。
戦後80年の節目の年。
あの時代を振り返る意義は何か?
野中郁次郎先生(一橋大学名誉教授)
による、
『失敗の本質
~ 日本軍の組織論的研究』
(中公文庫)
という名著があります。
第二次世界大戦前後の
大日本帝国の主要な失敗策を通じ、
日本軍が敗戦した
原因を追求すると当時に、
軍事史と組織論を組み合わせた
学際的研究書です。
累計100万部突破。
学際的研究書ではあり得ない
売れ行きを見せる。
こんな書籍は今後出てくることは
ないだろうとも言われています。
著者の野中郁次郎先生が
今年お亡くなりになられたこともあり、
戦後80年の今、
再び注目されるようになりました。
ファーストリテイリング会長の
柳井正氏は先日こう言いました。
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野中先生の存在自体が、
自分の考え方を持った
最高の日本人というか、
経営というものを
研究された稀有な方である。
ペリー来航で
欧米列強に危機感を抱き、
富国強兵を掲げ、
日清戦争・日露戦争に
日本は勝利した。
その成功体験の驕りが
太平洋戦争の敗戦を招いた。
私はこれを
「成功の復讐」
と呼んでいる。
山口県の商店街の紳士服店が
なぜ3兆円企業になれたのか?
それは企業が成長していく過程で、
過去の成功体験を
その都度捨て去り、
常にチャレンジしてきたからだ。
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過去の成功は次の成功を妨げる。
かつて上手くいった方法に固執し、
市場の変化を見誤る。
成長を止める最大の要因は、
失敗ではなく、
「過去の勝利」
なのです。
柳井正氏は中期経営計画を
策定することに関しても、
「こんな変化の激しい時代に
中計なんか作って、
どうするの?
そんなのダメダメ。」
と喝破されています。
過去延長線上での考え方で、
もはや経営できない。
次の勝利を得るには、
古い勝ちパターンを
自らの手で
手放していかねばならない。
こんな学びを改めて
得ることができました。
今日も社長業を楽しみましょう。