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スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義

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こんにちは、大阪駅前の税理士法人トップ財務プロジェクトの岩佐孝彦です。

今日の一冊はこちら。

 

 

スタンフォード大学 夢をかなえる集中講義』ティナ・シーリング(CCCメディアハウス)

 

 

それでは本日の赤ペンチェックを見てみましょう。

 

 

▼未来は自分自身の手で切り拓くことができる、という起業家精神を若い人たちに

教えないのは、犯罪的な行為ではないかと私は思います。

ところが現在の公教育では、イノベーションではなく暗記に重きが置かれています。

生徒自身をヒーローに育てるのではなく、ヒーローについて学ばせることを重視し

ているのです。

実社会でぶつかる問題には何通りもの解決策があるのに、学校ではたった一つの

正解しかない問題を解かせます。

本来なら、社会で待ち受ける問題を克服し、チャンスを活かせるのだという自信を

持たせたうえで、社会に送り出すべきではないでしょうか。

 

 

 

▼音と音を組み合わせて意味ある言葉を発し、つぎに言葉と言葉をつなげて文章を

つくり、いずれ文章と文章を組み合わせて物語をつくります。

こうしてできた物語は、聴く人を動かします。

音 → 言葉 → 文章 → 物語

 

 

▼そこで私が提案したいのが「インベンション・サイクル」、つまり、ひらめきを

形にするまでのサイクルです。

これは、「想像力」を起点に「クリエイティビティ」「イノベーション」を経て

「起業家精神」を発揮するまでのプロセスを定義し、その関係を表したものです。

 

 

▼イノベンション・サイクルを構成する四要素を定義すると、つぎのようになります。

●想像力・・・存在していないものをイメージする力

●クリエイティビティ・・・想像力を駆使して課題を解決する力

●イノベーション・・・クリエイティビティを発揮して独創的な解決策を編み出すこと

●起業家精神・・・イノベーションを活用してユニークなアイデアを形にし、ほかの

人たちの想像力をかきたてること

 

 

▼各段階において必要な行動姿勢は、つぎのとおりです。

●想像力を豊かにするには・・・何かひとつのことにどっぷり浸かること、今あるもの

に代わるものを思い続けることが必要

●クリエイティビティを養うには・・・やる気を高めること、実験を繰り返しながら

課題を解決しようとすることが必要

●イノベーションを起こすには・・・フォーカスすること、状況を捉え直してユニーク

な解決策を生みだすことが必要

●起業家精神を養うには・・・粘り強く続けること、周りの人を巻き込むことが必要

 

 

▼世界的な経営大学院インシアードで教授を務めるフェリペ・サントスは、

スタンフォードで博士号を取得しました。

博士課程では、企業がどのように事業の境界を決定しているかを研究し、その境界に

よって事業機会に気づくかどうかが決まることをあきらかにしました。

私たち個人もそうですが、企業も自分たちの事業はここからここまでだと境界を

決めていて、その境界からはみ出たものはチャンスだと捉えられません。

グーグルが自分たちの事業をオンライン検索だけに限定していたら、自動運転車を

開発することはなかったし、アマゾンが書籍販売しか考えていなければ、

インターネット・サービス事業を立ち上げることはなかったでしょう。

フェイスブックが純粋なソーシャル・ネットワーク事業に限定していれば、仮想現実

の世界には入らなかったでしょう。

ここに、決定的に重要な点があります。境界だと思っているものは自分で決めたもの

に過ぎず、自分で想像できることに限られる、ということです。

レースに出場するにせよ、選挙戦に出馬するにせよ、企業を経営するにせよ、自分が

どんなビジョンを描けるかで成し遂げられる成果が決まります。

ささやかなビジョンであれ、大胆なビジョンであれ、それは変わりません。

旅の舞台は、自分の想像力によって決まるのです。

 

 

▼創業者はみな、障害にぶつかります。ですが、そうした障害が克服された将来を

思い描ける創業者だけが、実際に障害を克服できる可能性が高いのです。

ヘンリー・フォードもこう言っています。

「障害とは、目標から目をそらしたときに目に入る恐ろしいものである」

成功への道筋をイメージできない人たちは、早々とあきらめてしまいますが、

解決策を見つけるとわかっている人は粘り強く挑戦し続けます。

まず自分が達成したい目標についてビジョンを描き、そこに至るまでの障害を

取り除いていくといいます。

 

 

▼ニューヨーク大学のヘザー・バリー・カペスとハンブルグ大学のガブリエル・

エッティンゲンは、望ましい将来についていいことばかりをイメージしていては、

実際に望ましい成果は得られないことを発見しました。

二人が行った実験では、ある事について望ましい結果をイメージするだけだと、

それに注ぎ込むエネルギーが低下することが明らかになりました。

身体的にも心理学的にもみられるエネルギーの低下が、目標の達成に必要な

意欲を低下させると、カスぺとエッティンゲンは仮説を立てています。

必要なエネルギーを確保するには、達成したい目標にくわえ、その目標にたどり

着くまでにやるべきことの両方をイメージすることが鍵になると、彼らは見て

います。

要するに、夢見る夢子さんではダメなのです。大きな夢を抱くからには、それを

達成するために何をすべきか現実的に考え、認識しておかねばなりません。

夢を実現するのに必要な姿勢と行動を明確にしているインベンション・サイクル

は、そのためのフレームワークになります。

 

 

▼多くの人が、大きな目標に挑戦するのを怖がっています。自分が大きな舞台に

ふさわしいと思えず、力不足が露呈するのではないかと恐れていることもあります。

何かを成し遂げても、自分の実力ではないとか、自分は成功に値しないといった

感情を抱くことはインポスター・シンドロームと呼ばれますが、こうした感情は

きわめて一般的です。人生のどこかの時点でインポスター・シンドロームを経験

したことのある人は、70%にものぼります。

舞台が大き過ぎて、自分はふさわしくないと感じる人たちがこれほど多いとは驚き

です。

 

 

▼やってみて初めて自信が生まれるのであって、自信があるからやるわけではない

のです。世の中には、偉業を成し遂げ、お手本となる人が大勢います。

その一人ひとりが、さまざまな障害を克服して目標を達成しています。

じつは、目標が大きければ大きいほど、乗り越えるべきハードルも高くなるのです。

 

 

▼私はあえて「選択する」という言葉を使っていますが、それは一人ひとりに自分

が使うレンズを選択する責任があるからです。違うレンズを選択すれば、違う課題、

違うチャンスが見えてきます。

課題は克服できるという目で世の中を見れば、そういう風に見えますし、自分は

犠牲者だというレンズで見れば、その役割を演じることになります。

思い出してほしいのですが、問題だと思えるものはじつはチャンスであり、問題は

大きければそれだけチャンスも大きいのです。

与えられたもので何をつくるかは、自分次第です。第2章で取り上げた、三角形の

絵について考えてみてください。完成形は無限にあるのです。

ジョン・ガードナーは、1990年にマッキンゼーで行った講演で「人生とは、消しゴム

なしで絵を描くようなもの」だと言いました。

つまり、人生が与えてくれるものを受け入れること、それをどう受けとめるかが問題

なのです。

 

 

▼タクシー運転手の話に戻ると、彼は暖房、換気、エアコン修理の資格を持っている

けれど、初任給がタクシー運転手よりも安かったので、その仕事に就かなかったそう

です。ゆくゆくは年功で給料が上がり、独立できる可能性もあったのに、目先の利益

を優先してその可能性をあきらめたわけです。

これは「先延ばし行動」と呼ばれるもので、もう少し努力すればもっと良い結果に

なることがわかっているのに、とりえあえず目先の安易な仕事に手をつけようとする

傾向です。長い目でみれば価値が下がるとわかっているときですら、取りやすい

低い木の実を取ってしまうのです。

 

 

▼ペンシルヴァニア州立大学の先延ばしの研究を簡単に紹介しましょう。

デイヴィッド・ローゼンバウム、ランユン・ゴン、コリー・アダムは先延ばしの

能力を調べるため、大学生27人を小道に連れて行った。

両側にはペニー硬貨をいっぱい入れたプラスチックの黄色のバケツが置いてある。

一方は学生に近い場所、もう一方は小道の奥に近い場所に置かれている。

どちらか一方、楽だと思う方のバケツを取って道の奥にあるゴールまで運ぶように

指示する。

驚いたことに、ほとんどの学生は、自分に近いゴールからは遠いバケツを手にする。

運ぶ距離は長いことになる。多くの学生は、終わった後に、「できるだけ早く終らせ

たかったから」といった類のことを口にする。

 

 

▼私たちの多くは、これとおなじことをしています。長期的な成功を犠牲にして、

目先の利益が得られる選択をしているのです。

 

 

▼スタンフォードのコミュニケーション学部に所属していたクリフ・ナスは、同時に

複数のことに注意を向けようとする場合の影響について研究しました。

一般に複数の仕事を同時にこなすのが得意だと思っている人ほど、実際にはできて

いないことがわかりました。

仕事が増えるほど、パフォーマンスは落ちていきます。しかも、自分が間違いを

犯していることに気づいていないのです。

 

 

▼ひとつのことにそれなりの時間集中した方が、生産性は大幅に上がりますし、

想像力も発揮されます。

 

 

▼生産性を上げ、想像力を高めたいのであれば、そしてもっと活力を得たいので

あれば、一日をプロジェクトごとに割り当てるよう科学は教えている。

ソーシャル・ネットワーキングに関わるのは、割り当てた時間内だけにすべきで

あって、絶えず他のことに邪魔されてはいけない。

マルチタスクをやめ、ひとつのことに一定の時間、たとえば30分から50分没頭

すれば、自然にクリエイティブになれる。

 

 

▼グレッグは、ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットを例に挙げています。

二人とも、成功の秘訣は、何に集中すべきかを見極めたうえで、それに集中でき

たことだと認めています。

 

 

▼重要なことに集中できるのは、パワフルな能力であり、多くのアイデアや

情報、意見に振り回される現代社会において、おそらく最も強力な武器である。

しかしながら、本当に重要なことに常にエネルギーを注ぎ続けたいと思うなら、

どちらの集中力も伸ばす必要がある。

そうすることでしか、「いま何が重要か」という質問に自信をもって答える

ことはできない。

 

 

▼成果を出している人たちは、たとえ緊急性はなくとも、重要な活動に注力して

いるとコヴィーは言います。そして、直感に反しているように思えるかもしれま

せんが、緊急性はないけれど重要な活動に時間を割くよう促します。

こうして人は将来に備え、すべての仕事を全うすることができます。

これを実践すれば、「成果は劇的に上がる。先を考え、根っこに働きかけている

ので、危機も問題も手に負える程度の小さなものになる」のです。

最も重要なタスクに集中するために、できることがいくつかあります。

まず、仕事をする机周りをすっきり整理すること。身のまわりが散らかっている

と、機能的磁気共鳴映像法(fMRI)を使って、注意をそらすものが多いほど

集中力が低下し、ストレスを強く感じることをあきらかにしました。

要するに、その場が散らかっていると、頭のなかもごちゃごちゃなのです。

一流のシュフの行動はヒントになります。一流のシェフは、調理を始める前に、

すべての材料を切り揃えておく習慣があり、フランス語で「mise-en-place」と

言います。この習慣で、規律が生まれ、調理に集中できます。

多くのシェフは、キッチン以外の場でもこの習慣を活かしています。

料理をしていないときでも、時間や資源には必ず優先順位をつけるという哲学を

身につけているのです。

身のまわりを整理して集中力を高めるのにくわえ、心を研ぎ澄まし、エネルギー

をチャージしなくてはなりません。心が不安定だとスキルは格段に落ちます。

ハーバード大学医学部のウィリアム・D・S・キルゴアの研究は、先行研究を

補強する形で、睡眠不足になると認知能力が低下することをあきらかにしました。

睡眠が奪われると、思考の処理が遅くなり、記憶力が低下し、学習が困難になり、

反応時間も遅れるというのです。

要するに目覚めているあいだの仕事は、睡眠の質と量に大いに左右されているのです。

集中すれば、鋭いナイフのように頭が冴え、問題の核心に切込むことができます。

それには、時間も心も、自分にとって意義あるものに割くことが必要です。

重要でなくなった義務的な仕事を不要物として処理し、集中できるように、心も、

そして身のまわりも整理整頓していきましょう。

 

 

▼どんな状況も、違うフレームで見ることはできます。

ベンジャミン・ザンダーとロザモンド・ストーン・ザンダーの共著『人生が変わる

発想力』から面白い小噺を紹介しましょう。

ある靴メーカーが、事業拡大の可能性を探るため、二人のマーケティング担当者

をアフリカに派遣しました。

一人目は「絶望的な状況です。靴を履いている人間は一人もいません」という

電報を送ってきました。ところが二人目は、勝利を宣言するかのようなメッセージ

を送ってきたのです。

「素晴らしいビジネスチャンスです。誰も靴を持っていません」

私たちは、過去の経験や現在の心境から引き出した想定をもとに世の中を見ています。

こうした想定を疑い、困難はチャンスだと捉え、積極的に視点を変えようとすることで、

今までにない斬新なアイデアを生み出すことができます。

 

 

▼どんなスキルもそうですが、小さなステップを積み重ねていくことで、メンタルを

鍛えることができます。

 

 

▼適切なペースがわからない起業家には、二通りの運命が待ち受けています。

小さな歩幅でリスクは低いけれど遠くまで行くことができないか、身の丈に合わない

大きな歩幅で結局行き詰るかのどちらかなのです。

重要なのは、自分に合った歩幅を見つけること、挑戦しがいがあるけれど、二度と

立ち直れないほどの大怪我をしない歩幅を見つけることです。

 

 

▼自分の信念の強さを試す機会を与えてくれているのですから。

最初に自分のアイデアを守ろうと戦わないのであれば、もっと厳しい壁にぶつかった

とき、戦えないのは目に見えています。

いつも諸手を挙げて賛成してくれる人ばかりだと、自分にどれだけ信念があるのか

わからないし、自分のためにやっているのか他の誰かのためにやっているのかわか

らなくなります。

誰もが賛成するということは、背伸びが足りないか、客観的な批評を求めていないから

だとも言えるのです。

偉業を成し遂げた人たちは、例外なく否定された経験がありますが、そこであきらめずに

目標に向かって走り続けることができた人たちです。

ある程度成功してから注目したのでは、彼らが初期の批判にどう耐え、頑張ってきたか

がわかりません。

どうやって始めたのか、最初のステップはどうだったのか、どのように成功を積み重ね

てきたのか、といった全体の軌跡に注目することが大切です。

 

 

▼一方、劇作家で俳優のケン・アダムスが最初にまとめた「物語の骨組み」は、ごく

単純で、使いやすいものです。

昔むかし・・・(現状を説明)

毎日・・・(さらに細かく説明)

ところがある日・・・(習慣を打ち破る出来事)

その結果・・・(結果1)

その結果・・・(結果2)

その結果・・・(結果3)

ついに・・・(クライマックス)

それ以来・・・(しめくくり)

ほとんどのおとぎ話は、この骨組みをもとにつくられています。

 

 

▼ケン・アダムスはつぎのように指摘しています。

「映画を物語の骨組みだけにしてしまうと、登場人物の多くはいなくなり、

印象深い出来事のほとんどがなくなってしまう。物語の骨組みは物語そのもの

ではなく、あくまで骨組みだからだ。むき出しの構造物に過ぎず、それを土台に

物語は作られている。そして、だからこそ、強力なツールだとも言える。

作家は、物語の核となる骨組みに注目し、基本的な要素が適切な場所に配され

ているかを確認できる」

こうした骨組みは、ビジネスのプレゼンテーションでも活用することができます。

この本の冒頭で紹介したスタートアップ企業のカラ・ヘルスの製品紹介に、どう

活かせるかをみてみましょう。

 

昔むかし、アメリカには手の震えに悩む人が800万人いました。

毎日、彼らは一杯のコーヒーを飲むとか、シャツのボタンを止めるといった単純な

作業に苦労していました。

ところがある日、カラ・ヘルスが、手の震えを抑えることのできる装着型の安価な

装置を開発します。

その結果、脳の特定部位にワイヤを装着する外科手術に代わる、効果的で手頃な

解決策が生まれたのです。

その結果、多くの患者が症状を抑える処置を受けられるようになりました。

その結果、患者は身のまわりのことが楽にできるようになりました。

そして、ついに、新しい治療方法が、手の震えを抑える標準的な治療になったのです。

それ以来、数百万人の人々が、震えの症状に悩むことなく生活できるようになりました。

 

 

▼ピカソはこう言っています。

「行動はすべての成功の基本的な鍵である」

 

 

今日も社長業を楽しみましょう。

 

 

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