こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&
経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO
岩佐孝彦@税理士です。
退職金制度に新時代が到来しました。
先日の日経新聞の記事です。
『ワタミ退職金、業績を反映
積立金最大2割増
赤字ならゼロ』
この狙いは以下の通り。
▼社員のやる気を引き出す
▼業績向上へのインセンティブUP
▼会社業績を自分事としてもらう
▼安心感と業績連動を
ミックスさせた制度設計
老後資金の基盤となる退職金は、
「安定性」
を重視するのが一般的でした。
しかし賞与同様、
「業績連動型」
の考えを退職金に取り入れる。
営業利益が赤字なら、
退職積立金ゼロ。
どこの職場でも問題視される
“働かないおじさん”
に対する退職金原資に
会社は頭を悩ませる必要なし。
ワタミの今回の取組みは、
画期的であるとの市場評価です。
退職金制度としては、
「中小企業退職金共済(中退共)」
が従来より普及しています。
しかし近年は
時流にマッチしなくなっています。
業績連動型とするのは、
ハードルが極めて高いです。
掛金減額手続きが厄介なのです。
従業員の合意の他、
経営難の客観的証明が
必要になります。
中退共は国の制度であり、
「中小企業退職金共済法」
に基づき、
「独立行政法人
勤労者退職金共済機構」
が運営しています。
制度の源流を見ても、
減額要件が極めて厳しく、
柔軟性は高いと言えません。
そこで近年注目されているのは、
「企業型DC」
です。
企業型DCは国の制度ではなく、
「規約に基づく労使合意の制度」
であるため柔軟な設計が可能です。
労働法の不利益変更に
該当することなく、
会社負担分を業績連動型で
適切にコントロール可能なのです。
中退共は一度掛金を設定すると、
簡単には減らせない。
まさに「固定コスト」になります。
一方、
企業型DCは規約の定めにより、
「変動可能な
人的資本経営の投資」
として、
経営リスクを低減できます。
中退共の減額手続きのような、
“後ろ向きな労使交渉”
を回避し、将来の経営防衛OK。
社員とのマッチング拠出や、
投資教育によって、
会社負担を抑えながらも、
資産形成を支援する。
そんな制度設計が可能なのです。
退職金制度を巡っては、
近年見直しの動きが相次いでいます。
▼みずほフィナンシャルグループ
⇒ 企業型DCに一本化
▼三井物産
⇒ 企業型DCに一本化
▼王子ホールディングス
⇒ 従来の退職金制度を廃止
⇒ 廃止分の原資を選択制へ
⇒ 給与に上乗せか、
企業型DCに振り替えるか
選択可能へ
まさに企業努力としての
“時流適応”
ですね。
企業型DCは、
「次世代型退職金制度」
但し、事を性急に進めるのはNG。
中退共から企業型DCへの転換は、
社員に対する丁寧な説明が必要です。
労使間で大きな摩擦を生まないように、
制度転換は丁寧に進めるべきです。
私共TFPグループは、
単なる技術論だけではなく、
税理士&社労士が一体となって、
「社長はこの施策で
どんな会社を作りたいのか」
まで一緒に考えることを
大切にしています。
私たちも経営者の皆様から
日々教えて頂くことばかりです。
だからこそ、
日経新聞のニュースを読んだ時も、
「これ、顧問先様に
どう伝えれば役に立つかな?」
と考えるのが習慣になりました。
制度は知っているだけでは、
会社を強くしてくれません。
制度を経営にどう活かすか?
今日も経営者の皆様から
学ばせて頂けること。
スタッフ一同、感謝です。
いつも本当にありがとうございます。