こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&
経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO
岩佐孝彦@税理士です。
大手都市銀行とパナソニックの
今期の決算予想は、
明暗くっきりとなりそうです。
4~12月期連結決算は、
大手都市銀行3社の
純利益が1兆円を超えたとか。
要因はズバリ、
「日銀の利上げ」
です。
外部環境変化による
追い風を受けています。
三井住友銀行は
年連続で最高益を更新へ。
ただこの報道は、
我々にとっては悲報??
中小企業経営者にとっては、
銀行借入金利負担増を
意味するからです。
一方、パナソニックはどうか?
4~12月期決算は、
売上高が前年比8.1%減。
純利益は前年比56.6%減の
1,252億円だとか。
要因はズバリ、
約1万人の人員削減の計画が
想定を2千人上回る応募があったこと。
退職金などの構造改革費用は
計画を300億円上回る1,800億円へ。
今から約100年前の1927年。
「住友はんに助けてもろうた」
松下幸之助氏は、
強固なメインバンク体制を
住友銀行(現三井住友銀行)と築き、
“修羅場”
をくぐり抜けたそうです。
あれから100年後、
住友銀行グループとパナソニックの
両者は明暗くっきりの業績へ。
奇遇を感じざるを得ません。
パナソニックの担当役員は、
先日こうコメントしました。
「我々としても苦渋の決断。
多くの方が抜けられて、
職場に何の混乱もないといえば、
ウソになる。」
幸之助氏の昭和流の
「雇用を守る」
という美徳を捨て、
大規模な人員削減を断行する。
同社の経営幹部にとっては、
“修羅場“
と今お感じかもしれません。
私事ですが、8年前のこと。
日本経営合理化協会の
全国経営者セミナー3日目に、
私(岩佐)は初登壇。
初日にご登壇されていたのが、
コマツ元社長の坂根正弘氏。
社長就任当時800億円の赤字。
火中の栗を拾うタイミングで、
坂根氏は前社長にこう聞きました。
「なぜ私が次期社長なのですか?」
前社長の安崎氏はこう言いました。
「君はアメリカで
“修羅場”
をくぐってきたからね。
わが社の目の前の
“修羅場”
も新社長して、
何とかしてくれる。
そう期待したからだよ。」
その後、坂根氏は再び、
“修羅場”
を経験されます。
「もう二度とこんなことを
しなくてもいいように、
一年限りの大手術を決断した。」
全社員の15%の人員削減を断行。
結果として構造改革により
固定費が一気に軽くなり、
営業黒字に転換し、
見事V字回復へ。
坂根氏の卓越した経営手腕は、
「米ハーバード・ビジネス・レビュー」
に評価され、
「在任中に実績を上げたCEO」
として、
世界17位(日本人トップ)に
選出されました。
全国経営者セミナーでは当時、
日程の関係でお会いできませんでしたが、
その3ヶ月後の母校の同窓会で、
ご一緒だった際に、
ご著書にサインを頂き、
一緒に写真撮影をして頂きました。
修羅場の最中にいる時、
「こんな経験は
二度としたくない」
と誰しも考えます。
しかし不思議なことに
それが終わった後、
あの修羅場が
自分を自分たらしめた、
かけがえのない経験だったと
気づかされます。
極限で下した判断。
逃げずに踏みとどまった時間。
そこで手にした知恵や感覚、
視座や胆力。
これらが自分の今日の源泉になる。
ただ経営の世界では、
【修羅場は一年限定】
でなければなりません。、
二年も三年も修羅場が続いている??
これは経営者失格??
コマツやパナソニックのように、
“大手術は一年限り”
でなければなりません。
2期連続赤字の決算書は、
金融機関も問題視します。
単年度の赤字は
理由が明確であれば、
理解が得られるでしょう。
しかし2期連続の赤字は、
収益構造自体を問題視し、
融資返済財源チェックを
厳格に受けることになります。
サイバーエージェント創業者の
藤田晋氏はこう言いました。
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飲み食いで潰れた会社はない。
“事業ごっこ”
みたいに、
ダラダラ赤字事業を
続けているから、
会社は潰れる。
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実は法人税法上も、
“一年限りの大赤字”
には優遇税制として、
【欠損金の繰戻還付制度】
が救済の手を差し伸べてくれます。
これは今期の赤字決算の場合、
前期の黒字と損益通算し、
前期に払った法人税を
今期に還付してくれる制度です。
だた注意すべきは、
▼今期の赤字と損益通算
可能な期間
⇒ 前期の一年限定
であること。
2期連続・3期連続と
ダラダラ赤字を続けても、
その赤字は未来に向かって
10年繰り越せますが、
過去の黒字決算だった際に
払った法人税を取り戻すのは不可。
2期連続の赤字は、
銀行だけでなく、
税務署も厳しいのです。
経営の苦しい時期は、
修羅場かもしれません。
ただその時は、
“一年限りの大手術”
を断行して絶対に乗り越える。
これが経営の鉄則なのです。
今日も社長業を楽しみましょう。