ブログ

【2代目対決?】ジャパネット vs 大塚家具

 

 

こんにちは、JR大阪駅前のTFPグループの
税理士法人トップ財務プロジェクト代表の岩佐孝彦@税理士です。

12月1日のこと。

大塚家具の大塚久美子社長が辞任。

一時は、無借金経営で現預金110億円。

そんな優良経営でしたが、業績は悪化の一途をたどる。

社長在任中の4期で、約230億円の赤字。

大塚家具は創業家が一掃へ。

今後はヤマダ電機に再建が委ねられることに。

2代目経営者として、最悪の結末になりました。



対照的なのが、ジャパネット。

2代目経営者の高田旭人氏がいま脚光を浴びています。

創業者は、高田明氏。

TVショッピングの顔として、カリスマ経営者でした。

そんな偉大なる父の後を継ぎ、2015年1月に社長就任。

2019年12月期の売上は過去最高を更新へ。

社長就任時から約35%UP。

そんな2代目社長が著書を日経BP社より出版されました。

本のタイトルは以下の通り。

 

 

 

『ジャパネットの経営』

 

 

副題が凄いです。

 

 

「東大卒2代目の僕がカリスマ社長の後を継ぎ、
大事にしてきたこと」

 

 

社長就任時のエピソードが以下のように書かれています。

…………………………………………………

25歳で入社した当時、
周囲に自分がどう映っていたかはよく知っているつもりです。

 

「東大卒の2代目か」

「ジャパネットを潰すんじゃないだろうな」

「お手並み拝見」

 

といった感じでしょう。

 

「高田明が辞めたら駄目だろ、あの会社」

などとも言われていました。

…………………………………………………

 

創業者の父が去り、体制が変わる。

それでも、会社が順調に成長を続けているのはなぜなのか?

モノが売れない時代にジャパネットはなぜ売れるのか?

この本から学べるのは、

「成功する2代目の経営セオリー」

です。

会社をダメにする2代目は、先代と確執があります。

つまり、「先代を否定」する。

これが経営目的になっています。

しかし、これはまずい!!

 

 

成功する2代目の基本姿勢とは?

「先代を尊敬し、経営理念を尊重しつつ、

先代がやれていないことにフォーカスする」

 

これに尽きます!

これにフォーカスできた後継者が上手くいっているのです。

高田旭人氏は2代目として、

 

 

「ジャパネットの強みの本質 = 厳選集中」

 

 

であると分析しました。

ジャパネットが認めた極わずかな商品にラインアップを絞り込む。
これにより、

コールセンターや物流センターの
効率を上げ、競争力を高める。

つまり、

 

『厳選集中 = DNA』

 

と位置づけたのです。

そして、旭人氏が自社の強みの本質を
考え続けて分かったのは、

 

 

「3つのステップ」

 

として以下を愚直に続けてきたことだとか。

 

「3つのステップ」とは?

 

▼STEP(1)見つけて

▼STEP(2)磨いて

▼STEP(3)伝える

 

 

 

先代の明氏の時代は、

 

▼STEP(1)見つけて

▼STEP(3)伝える

 

をしっかり展開していました。

厳選集中のコンセプトで良質な商品を

 

「見つけて」

 

を実践する。

そして、TV通販番組で、

“独特な語り口調”

“絶妙なセールストーク”

で商品の魅力&メリットを

「伝える」

ことを実践していました。

 

例えば、掃除機のレイコップ。

レイコップは布団クリーナーとして、人気の商品です。

しかし、当初は人気がなかったそうです。

元来は、紫外線で除菌ができるクリーナー

という打ち出しだったからです。

 

しかし先代の明氏は「布団クリーナー」という便益を前面に訴求へ。

その結果、爆発的に売れたのです。

 

このように、

 

“ジャパネットのDNA”

 

を3つに分解する。

その結果、2代目の旭人氏に気づきがあったとか。

具体的にこう語っておられます。

…………………………………………………

ジャパネットの事業全体を見渡すと、

「見つける」

「伝える」

活動が概ね9割を占めている。

「磨く」

活動が相対的に少ない。

そこで、父の跡を継いだ時、

「磨く」

という部分を特に強化していく。

そう決めました。

 

「父が抜けた穴を埋める」

こんな発想では、父の時代以上に、
ジャパネットを発展させるのは難しいでしょう。
だから、

「父の時代にやりきれなかったことを深堀りする」

ことにしたのです。

…………………………………………………

 

これは金言ですね!

「磨く」を次世代型の経営戦略へ。

そのために実行したのは、
取扱商品数を約8500から600へ。

残った商品数は何と!

7%ほど。

9割以上を商品点数を減らす。

そのうえで全ての商品に、

 

「45秒間の紹介動画」

 

を付け、丁寧に売っていく。

まさに「磨く」を徹底したのです。

 

たくさん商品を扱うと、結局ケアが疎かになります。

商品数を絞り込めば、

物流拠点で全商品の在庫を持てるようになります。

顧客への配送リードタイムを短縮できます。

コールセンターの対応も集中OK。

商品点数を絞り込めば、メリット満載だとか。

しかし、放っておくと、再び商品点数は増えていく。

そこで、ジャパネットでは商品点数を

 

「最大777」

 

と上限を決めているのです。

ラッキーセブンが3つ並ぶ。

社員の頭にも残りやすいですね。

さすがの経営手腕です。

成功する2代目の経営セオリーは以下の通りです。

 

▼自社の歴史やDNAをまず知り、肯定する。

▼先代ができていなかったことを明確にする。

▼根源的な強みを深掘りする形で、業績向上の経営戦略を考える。

 

 

 

これこそ、

 

「成功した二代目 = 高田旭人氏」

 

から学べることなのです。

逆に反面教師として、

 

「失敗した二代目 = 大塚久美子氏」

 

からも学びがあるでしょう。

先代の高級化路線を完全否定し、

「低価格路線」

に転換を図った。

低価格路線で先行する
ニトリなどへの挑戦でもあった。

しかし、

 

「高級家具のイメージのままの低価格転換」

 

という矛盾を抱えることになる。

高級家具は住宅新築など慶事で買い揃えられるもの。

そこにお家騒動や業績悪化で、

「慶事には縁起が悪い」

とブランドイメージ毀損へ。

 

「高級化路線 = 根源的な強み&DNA」

 

 

を深堀りする。

そんな経営戦略をもし、
久美子氏が取っていたならば、

大塚家具の業績はここまで
悪化していなかったことでしょう。

高田旭人氏は東大卒。

大塚久美子氏は一橋大卒。

学歴なら、お二人とも秀逸です。

 

それなのに、なぜ明暗が分かれたのか?
本当に学びが大きいですね。

今日も社長業を楽しみましょう。

アーカイブ

ブログTOPへ

日々是精進ブログはこちら
新型コロナ特設サイトはこちら
個別無料相談の詳細はこちら
  • 助成金&補助金で新型コロナ禍をチャンスに変える方法
  • 「令和時代にお金を賢く残す社長の新ルール」
  • お金を残す「社長の資産防衛の新常識」
  • お金を残す「社長の資産防衛術」
  • 「ずっとお金持ち」の人成金で終わる人
  • オーナー社長の「財務対策4つの急所」
  • 社長と会社のお金を残す力“養成”講座
  • 社長は「会社のお金」をこう残せ!
  • 小さな会社の社長のお金を残すために絶対必要な本
  • 社長のお金を残す財務プロジェクト作戦指南書
お問い合わせ
よくある質問