こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&
経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO
岩佐孝彦@税理士です。
8月はお盆もありましたので、
家族と過ごす時間が
多かったかもしれませんね、
ただサラリーマンや公務員の
家族と違う点があります。
オーナー経営者の家族に
求められるのは、
「ファミリーガバナンス」
です。
これは単に親族間のルールを
決めることではありません。
ポイントは以下の通り。
▼オーナーとしての役割や
会社への関わり方
▼ファミリービジネスの
意思決定のルール
▼ファミリービジネスの
持続的な成長を支える
ための仕組み
このために、
一族の価値観や理念を共有する。
「誰が・何をどのように決めるか」
を家族間で整理しておかねばならない。
ファミリーガバナンスの
象徴は何と言っても、
「自社株」
でしょう。
この自社株の評価ルールが
2028年から激変する見通しです。
国税庁の20日の有識者会議で、
改正の骨格が明らかになりました。
ガラリと大きく変わります。
現行の自社株対策で有効だった、
「類似業種比準方式」
は完全に廃止されます。
従業員数70人以上の場合、
現行では無条件で
「大会社」
と判定され、
業種が似ている
上場企業の株価を参考にする。
そんな手法ですが、
「規模の大きな会社ほど、
相対的に株価が低くなる傾向」
が見られ、
意図的に会社規模を操作し、
評価額を圧縮する。
そんなスキームが見られたとして、
「大会社・中会社・小会社」
という区分は撤廃されます。
あくまで当該企業の
財務内容にフォーカスし、
「残余利益方式
= 純資産や利益から算定」
する形が基本になります。
ここで頭の良い経営者は、
こう考えるかもしれません。
「残余利益方式になったとしても、
今まで通り、
役員退職金やオペリースで
利益を一時的に引き下げる。
直前期末で
残余利益を圧縮すればよい。
これで大丈夫だよね?」
しかしこの手法もアウトになり、
「過去5年分の利益」
をベースに株価が計算され、
▼一時的な役員退職金
▼多額の役員報酬
▼オペレーティング・リース活用
等の非経常的な損失は除外へ。
株価計算の対象は、
“点 = 直前期末時点”
ではなく、
“線 = 5年間の正常利益”
となるのです。
8月20日付の日経新聞には、
某税理士法人の試算が掲載されました。
▼モデル(1):製造販売業
*売上高56億円・利益3.1億円
*簿価純資産29億円
*従業員91人
★現ルールの株価
⇒ 17.1億円
★新ルールの株価
⇒ 21.6億円(126%UP)
▼モデル(2):建築工事業
*売上高17億円・利益2,900万円
*簿価純資産4.9億円
*従業員数8人
★現ルールの株価
⇒ 9,600万円
★新ルールの株価
⇒ 3億円(312%UP)
▼モデル(3):塗装業
*売上高1億円・利益840万円
*簿価純資産8,600万円
*従業員数7人
★現ルールの株価
⇒ 6,900万円
★新ルールの株価
⇒ 6,150万円(89%DOWN)
上記にはビフォアアフターで、
「312%」
との衝撃的な試算もありましたが、
まだ正式決定ではありません。
あくまで現段階での案です。
ただ新ルールの傾向として
言えるのは以下の通りです。
▼規模が大きく、高収益
⇒ 負担増
▼規模や収益力が平均でも、
不動産等の資産が大きい。
⇒ 負担増
▼規模が小さければ影響は限定的
⇒ 負担減
今回の改正は、
1964年以来初めて。
今後のスケジュール感は、
▼2027年12月中旬頃
2027年度税制改正大綱に反映
▼2028年1月~
施行(相続や贈与時に適用)
とのこと。
現行ルールが適用できる、
残された時間は1年4ヶ月。
会社と家族を守るため、
オーナー経営者に
いま決断が迫られています。
今日も経営のかじ取りを
楽しみましょう。