こんにちは、JR大阪駅前の税理士法人&
経理代行事業のTFPグループ代表兼CEO
岩佐孝彦@税理士です。
私(岩佐)が先日の本番後、
講師控室に戻ると、
大トリをお務めになる
知識人がいらっしゃいました。
寺島実郎氏。
御年78歳の大御所。
日曜日放映中の
サンデーモーニングでお馴染み。
本番直前でいらっしゃいましたが、
ご挨拶させて頂きました。
寺島氏は講演の冒頭に
こうおっしゃいました。
「経営とは、時代認識である。」
社長業とは環境変化対応業。
時流適応の重要性は、
よく耳にしますが、
なるほどと感じました。
寺島氏のマクロ的なアプローチを
経営の世界に落とし込めば、
「経営者の時代認識
⇒ 人口減少時代」
であることは明白ですね。
人口減少時代と言えば、
すべてが縮んでいく、
「ダウンサイジング社会」
のイメージがあるかもしれません。
しかし歴史を振り返れば、
ヨーロッパでも日本でも、
文化が成熟し、栄えています。
「文明から文化へ」
移行が見られます。
人口増加期には新たな文明で
人口容量が増えますが、
人々の関心は当然、
文明に向かいます。
ただ人口減少期には、
文明の応用が限界に達し、
人口容量も飽和し、
文明への関心も薄れてきます。
他方、ゆとりも生まれ、
成熟感も強まるため、
もう一度、
伝統的な生活様式や
時代精神を見直す気風へ。
結果として、
文化への関心が高まります。
▼成長から成熟へ
▼拡大から濃縮へ
▼活力からゆとりへ
人口減少時代の
歴史を振り返れば、
顕著に見られる特徴です。
鉄血宰相ビスマルクの名言の
「愚者は経験に学び、
賢者は歴史に学ぶ」
ですね。
人口減少が進めば、
世の中がどう変わるのか?
どんな事業チャンスが生まれるのか?
経営者は常に思いを巡らせています。
新規事業に伴う先行投資は、
「経産省系の補助金を活用したい」
と思う経営者は多いことでしょう。
2025年に新設された、
【新事業進出補助金】
があります。
補助金額最大9,000万円。
補助率2分の1。
特筆すべきは、
「建物費」
も対象経費になること。
新規事業をダイナミックに
実行するには、
最適な補助金です。
しかし大前提として、
【新規性要件】
をクリアせねばなりません。
ポイントとなるのは、
以下の3要件です。
▼製品等の新規性要件
過去に製造した
実績ゼロであること
*既に広告宣伝していればNG
*既に注文が取れていればNG
*既存製品の製造方法を
変更する場合NG
*製品の性能を有意に異なると
認められない場合NG
▼市場の新規性要件
既存事業において
下記対象が異なること
*顧客ニーズ
*属性(法人/個人)
*業種
*行動特性
▼新事業売上高要件
事業計画最終年度において、
全売上高の10%以上の実現
以上すべて満たす必要があります。
ORではなく、ANDです。
くれぐれも注意して下さい。
上記3要件でハードルが
最も高いのは、
「市場の新規性要件」
です。
例えば、
BtoB(企業向けビジネス)なら
BtoC(個人向けビジネス)へ
新たに進出しなければならない。
これが厄介なのです。
昨年52歳にて社長を退任し、
会長へ。
サイバーエージェント創業者の
藤田晋氏は、
インターネット広告業の一環で、
「アメーバブログ(アメブロ)」
を展開していくうえで、
大変苦労されたと述懐されています。
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BtoBの職をしていた人が
BtoCの職に切り替えると、
ハンマーで頭を3回叩かれたくらいの
衝撃を受けなければ、
ビジネスのポイントが理解できない。
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新規の市場を攻めるには、
頭を3回ハンマーで殴られないと
成功できないということ。
ビジネス成功は甘くありません。
稲盛和夫氏は囲碁に例えて、
新企業の心得をこう説きました。
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飛び石を打つな。
必ずつないで打て。
つないで打てば切られない。
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新規事業をやる場合は、
本業とかけ離れた事業に
手を出してはいけない。
事業経営には、
深い専門知識と経験が必要である。
いくら努力しても、
その事業に深い知識がなければ、
成功しませんし、
長年の経験というものも
大事です。
本業に近ければ、
本業の専門知識が活きるので、
たとえ経験が無くても、
そう大きく間違えないものです。
このように考えれば、
「新規性要件
(新事業進出補助金)」
を満たすには、
「飛び石を打たねばならない」
ことを意味します。
新規事業のジレンマですね。
ただ補助金を仮に獲得できても、
総額の2分の1まで。
(注)
社員数によって上限もあり
また実際のキャッシュアウトが
伴うのは必至です。
さらに投資回収までの
タイムラクもあります。
人口減少を逆手に取って、
新規事業を検討するのは
大変素晴らしいことですが、
火傷しないように、
注意を払うべし。
今日も社長業を楽しみましょう。